【株主総会レポ】ジャパンディスプレイ(JDI)は復活するかもしれない。




久々に株主総会に行ってきた。当該会社はジャパンディスプレイ(JDI)である。

【参考:過去の参加レポ】
2018年のJDI株主総会レポ
2019年のJDI株主総会レポ

・昨今のコロナ騒動で株主総会運営はどう変わったのか。
・よくわからない中華ファンドよりもしっかりしたいちごトラストというファンドが資本参加したことでどう変わったのか
を肌で感じたくなったからだ。

結論から言ってしまうと、この会社面白くなりそうである。コロナによる需要低下もありすぐに黒字化は難しいが中長期的視点に立つとこの会社は大きなポテンシャルを持っていると感じたのである。

JDI の現況

まず現在の収益構造は白山工場の売却を進めたり、設備を縮小させることで固定費は削減できていると会社は述べているが、損益計算書をみると売上よりも原価が上回っている。相変わらずの原価割れ販売(安売り)をしてしまっている。

売上総利益がマイナスだと、どれだけ構造改革を進めて営業費用などを削減しても黒字化は無理である。

なので粗利幅が高い車載向けやノンモバイルを伸ばそうというのが今後の方針であるが、昨今のコロナで自動車需要は激減したため車載向けはぶちゃけ見通しは明るくない。つまり八方ふさがりに近い状態なのである。

今回のJDI株主総会で感じた変化

それでも私がジャパンディスプレイに復活の兆しを見出したのには2つ理由がある。

① 資本構造の変化

これまで政府系ファンド INCJが筆頭株主であった。現在もそれは変わらないもののいちごアセットマネジメントが500億円を出資し、第2位株主になったことによって自由度が高まった。

これまで何かしらINCJにお伺いを立てないと施策が実行できない感があったが、このいちごアセットマネジメントの参入によってその完全御用聞き状態はいくぶんかマシになっている。

また火中の栗状態だったジャパンディスプレイを拾った経緯から、ある程度INCJからも信託を受けていると思われる。(あくまで推測)

御用聞きが解消されることで意思決定スピードが早まり、浮沈が激しいディスプレイ業界でも機動力ある対応ができると期待する。

② スコット・キャロン会長

JDIの現在の代表は先述した500億円を出資したファンドの社長も務めるスコット・キャロン氏である。


(出典:いちご株式会社

外国人ではあるものの、総会中は流ちょうな日本語を操り自身の言葉でしっかり説明されていた。

このキャロン会長、総会での語り口から非常に実直でウィットに富んだ人物と感じたのであるが3つの点でこれまでの社長と違うと思った。

キャロン会長の経歴

(A)500億円自腹を切っている

まず自身の会社を通じて約500億円出資している。そりゃぁ当事者意識は高くならざるを得ない。下手すりゃ投じた500億円が溶けてしまうからだ。

一定の報酬が約束されたこれまでINCJから送り込まれた社長とは心意気が違うのである。

(B)32社の出資者である

キャロン会長はいちごアセットマネジメントの代表者でもある。さらにその出資先を見ると少なくとも国内上場企業32社の株主なのである。

(出典:株主プロ いちごアセットマネジメント大量保有報告書一覧

上記表は大量保有報告書といって、全発行株式の5%を所有した場合に提出を義務付けられる書類である。つまり上記32社に対しては一定の強い影響力を持っている。

32社の顔触れをみると

オープンハウス・長谷工・アイホンといった住宅系から青山商事・西松屋といったアパレル、そしてディスプレイど真ん中のEIZOや富士通などJDIの保有する技術が活かせそうな会社が多く並んでいる。

例えば以前発表していた新製品おくれ鏡はアパレル系にはフィットするだろう。

遅れ鏡使用イメージ
出典:JDIプレスリリース

JDIはディスプレイだけでなくセンサーに関しても数多くの技術を保有しており、組み合わせ次第では協業の種がたくさん隠れているように感じた。また担当者ベースからの話からはじまらないので、ニーズがマッチした場合採択されるスピードも速いと思われる。

(C)JDIの社員を信じている

質疑応答でこれからの展望について質問させて頂いたのだが、キャロン会長の言葉が非常に力強かったので一部紹介したい。

「ジャパンディスプレイの社員は立派である。この技術力を世にもっと出したい。JDIなら絶対できると思う。過去の不適切会計問題解決も重要だが、保有する技術力を活かし収益を上げることが最大の課題だ」

2018年から毎年株主総会に出席しているが、社員を信じるメッセージは初めて聞いた。こういう人の元なら新しい領域にチャレンジしやすいだろう。

2020年JDI株主総会所感

これまで2018年, 2019年と数回JDIの株主総会に参加してきた。持ってる技術力はすごいのに資本的しがらみでイマイチで本来の力を出せていなかったように感じた。そして毎年赤字で株主総会はお通夜状態。もうこれはいよいよダメだと思っていたが、今回の総会に参加して希望を見出すことができた。

2-3年後この会社は大きく化けているかもしれない。

今日の一句

”雰囲気が 明るくなった JDI”

【参考:過去の参加レポ】
2018年のJDI株主総会レポ
2019年のJDI株主総会レポ

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