どうも!2年前の経営危機時代からシャープ株 ガチホ中のカタオカ(@peterminced)です!
10/3(水)、ついに自社有機ELを採用した純国産OLEDスマホ、「AQUOS zero」が発表されました。
いやー正直国産有機ELスマホが発売されるのまだまだ先だと思ってましたよ。鴻海のスピード・有言実行力には目を見張るものがありますね。
今回はこの国産有機ELスマホ、「AQUOS zero (アクオスゼロ)」を、シャープの歴史や業績推移を知る株主目線でレビューします!
目次
技術者大量流出からよく巻き返した
去年元シャープ社員の方と株主総会に行ったとき聞いたのですが、「有機EL事業にいた若い有望な技術者陣は経営危機時にみんな転職しちゃった」らしいんです。
また、2016年9月30日の日経新聞では、亀山工場に574億円を投じて有機ELの試作ラインをつくると発表していましたが、ライバルサムスンは8,000億円も投じており、全然足りないんじゃないかと心配していました。
そういった懸念点を乗り越えて、先行していたジャパンディスプレイ(JDI)よりも先に発売へこぎつけたスピードと実行力は、ひいき目の株主視点を差し引いても見事だと思います。
完成品メーカーであるという強み
なぜ先行していたジャパンディスプレイ(JDI)よりも先に有機ELスマホを発売できたのか?
私はシャープが完成品メーカーという特長を持ち合わせていたことが最大の要因と考えます。
ディスプレイ専業メーカーのジャパンディスプレイの場合、販売先の仕様に合わせたり、競合他社に対抗するための価格交渉といった折衷が発生します。
市場にすぐに出したくても、販売先の意向を汲まないと実行することができないのです。
一方シャープは、自社内で ディスプレイ製造はもちろん、スマートフォンまで生産し、市場に流通させる販売ネットワークを有しています。
つまり仕様調整や価格交渉といった煩雑な業務をすっ飛ばして、とりあえず市場に出すことができるのです。
例えば過去にシャープは「そろばん付き電卓」なる尖った商品を出しています。今感覚で見ると非常に滑稽ですが、でもユーザーが求めてるならとりあえず売ってみようというシャープの精神をこの製品は象徴しています。
信じてくれないと思いますが、昭和の時代、電卓が普及しつつもその計算結果が信用できない人向けに、そろばんが合体した電卓がありました。いまでいうと、エクセルが信用できず電卓で検算するストロングスタイル。 pic.twitter.com/tyY5tpmSyz
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2017年6月3日
アクオスゼロは外販を意識したモデルと見る
各メディアよりアクオスゼロはゲームユーザーを意識したハイエンド機種というレビューが多数出ていますか、株主視点から見ると異なって見えました。順にご説明します。
Appleへの高いパネル外販依存度
シャープは完成品メーカーだけではなく、ディスプレイパネルを他社に外販しています。特に最大顧客となっているのがアップル。
徐々に依存度は低下しているとはいえ、2017年度(2018年3月末決算)はなんと売上高の1/4をアップルが占めています。金額にして約5,800億円!
(出典:シャープ有価証券報告書より作成)
このルートを深耕できればさらなる売上増が期待できますが、立ちはだかるのがAppleの厳しい調達基準。
性能はもちろん、複数購買で調達コストを極力下げる手法はジャパンディスプレイ(JDI)の赤字拡大に寄与しています(泣)。
まずは自社製品で実績を出す作戦
ところがシャープ製スマホの存在感が増して来たらどうでしょう。アップルとしてはその有用な技術やノウハウを自社製品に取り入れたくなるに違いありません。
実際シャープの国内アンドロイドスマホにおけるシェアは2018年上期で25.9% とトップ。2020年には40%を狙っています。
(出典:BCNランキング)
つまりAQUOS zero (アクオスゼロ)は、有機ELパネル外販を意識した実績づくりの製品という見方もできるのです。
iPhone XSと比較して優れている点
実際スペックを比較してみると、AQUOS zero (アクオスゼロ)はiPhone Xよりも性能面で優れています。
AQUOS zero (アクオスゼロ) | iPhone XS | iPhone XS MAX | |
---|---|---|---|
ROM | 128GB | 64 GB 256 GB 512 GB | 64 GB 256 GB 512 GB |
RAM | 6GB | 4GB | 4GB |
ディスプレイ 材質 | 有機EL | 有機EL | 有機EL |
画面解像度 | 2,992 x 1,440 | 2,436 x 1,125 | 2,688 x 1,242 |
画面サイズ | 6.2インチ | 5.8インチ | 6.5インチ |
背面カメラ | 23MP | 12MP | 12MP |
前面カメラ | 8MP | 7MP | 7MP |
高さ | 154mm | 143.6mm | 157.5mm |
幅 | 73mm | 70.9mm | 77.4mm |
厚さ | 8.8mm | 7.7mm | 7.7mm |
重量 | 146g | 177g | 208g |
バッテリ容量 | 3,130mAh | 2,658mAh | 3,174mAh |
最高級機 iPhone XS MAXと大きさほとんど変わらないにもかかわらず
- RAM:1.5倍
- 画面解像度:1.3倍
- 背面カメラ解像度:1.9倍
- 重量:30%(62g)も軽い!
と大きく凌駕しているのです。
特に特筆すべきは重量。
私は シャープのS3(ワイモバイル)を所持していますが、保護ガラスつけて重量は153g。
AQUOS zero (アクオスゼロ)は性能すごいのに、スタンダードモデルよりも軽いってどゆことっ!?
以上を踏まえてもAQUOS zero (アクオスゼロ)はかなり完成度の高い製品であることが伺えます。
カメラモジュールも外販している
余談ですが、シャープはディスプレイパネルだけでなく、カメラモジュール(部品)も販売しています。(IOTエレクトデバイスに該当)
(出典:シャープ 2018年3月決算 有価証券報告書 p99)
自社スマホでカメラの評判が高まるほど、カメラモジュールの外販も伸びるでしょう。
背面カメラは1つですが、解像度の高さはこの辺を意識しているようにも感じました。
Apple以外にも売れる
また外販先はアップルだけではありません。中国のハーウェイやシャオミといった新興スマホメーカーも選択肢に入ります。(シャオミはかつて取引していた)。
鴻海の大規模なネットワークがここで効いてくるに違いありません。
アクオスゼロに込められた想いを考える
そもそもシャープと液晶の歴史を振り返ると、電卓小型化のために研究開発を開始した1970年代までさかのぼります。
約50年もの歴史を紡いできたシャープのアイデンティティともいえる液晶をいったんリセットし、有機ELを採用して発表されたAQUOS zero (アクオスゼロ)。
ゼロという呼称には、電卓時代と同じようにゼロから新しいものを作っていこうというシャープの気概のようなものを感じました。
まとめ
株主視点&個人的推測でAQUOS zero (アクオスゼロ)をレビューしてみましたが、単純にガジェット単体としてみても魅力的なスマホと感じました。
こいつが起爆剤となって、業績拡大の追い風になることを祈ります!(最近株価下落気味なの涙)
10/12追記 AQUOS zero (アクオスゼロ)はソフトバンクより独占販売
AQUOS zero (アクオスゼロ)はソフトバンクの独占販売になるようです。3大キャリアから出ると想定していたので意外。
(出典:ソフトバンクHP)
- 有機ELパネルの供給力が万全ではないから?
- 初物好きなソフトバンクの差別化戦略?
色々推測してしまいますが、アクオスゼロを使いたい方は現状ソフトバンク一択のようです。
今日の一句
”iPhoneを 超える存在 アクオスゼロ”
ちなみにIGZO搭載のシャープsimフリースマホもでコスパ良く高評価です◎
12月18日追記:アクオスゼロ(AQUOS zero) 実機を触ってきた
すでに実機が店頭に並び始めている情報を得ましたので、アキバのヨドバシカメラに触ってきました!
ハイエンドを求める人なら有機ELのIPhoneやGoogleピクセル、Xperiaよりも値ごろ感あるのでお得だと思いました。
秋葉原のヨドバシカメラでアクオスゼロ触ってきた。確かに軽いし速い。価格は一括99,840円。
iPhoneXSよりは安い。ハードスマホゲーマーなら検討の余地はありそう。 pic.twitter.com/jtox1VJa9K— カタオカ⌘兼業水耕農家 (@peterminced) 2018年12月18日
他の方の感想を引用。軽さと画面のキレイさは評価高いですね!
めちゃくちゃキレイ! #AQUOSzero pic.twitter.com/RSvaHdXtGG
— 遠藤みき (@mikien10) 2018年12月16日
AQUOS ZERO
あんまり興味なかったんだけど実際触ってみると悪くないな。背面の加工がいいね。 pic.twitter.com/rKUX0341Ll— Yuki’Matcha™ (@Tsukishiro_527) 2018年12月16日
AQUOS zero
まじで軽くて感動したわ pic.twitter.com/Y5w2d6UGrk— はじめ🌸 (@hajime2101001) 2018年12月15日
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