【至近距離】LIFULL(ライフル)の株主総会は、なぜ社長がこんなに近いのか?




空き家市場調査のため、LIFULLの株主総会へ行く

1年前から空き家問題に本格的に関心を持ち、江田島市で現地調査したり空き家マッチングシステムのプロトタイプを作ったりしているのですが、不動産上場企業がどのような取り組みをしているのか知るべく各社の株主総会に足を運んでいます。

今回訪問したのは半蔵門に本社があるLIFULL(ライフル)。

 

正直、あまり聞いたことがなかった会社だったのですが、国土交通省と協力して空き家バンク全国版を構築していく動きに関心を持ち株主となった次第です。

結論から申し上げると、この会社とても良かった。

今回は12/21(木)に開催された株主総会レポートをお届けいたします。

 

LIFULLは物件情報サイトHOMESの運営会社

LIFULL(ライフル)という社名は知らなくても、HOMESという物件情報サイトについては知ってる方は多いのではないでしょうか?

(出典:アプリサーチ

 

HOMESを運営しているのが株式会社ネクスト。

そのネクストが2017年4月に社名変更したのが株式会社LIFULL(ライフル)というわけです。

私は当初、コーポレートカラーや文字の感じがLIXIL(リクシル)と似ていたので、そのグループなのかなと思ってたのですが、全然違いました(汗)

スンマセン・・・。

 

株主総会会場の様子

こちらが株主総会開始前の会場の様子。本社ビルの8Fです。とてもキレイで居心地の良い空間。

出席者は100名弱くらい。

平日にも関わらず私と同じ世代の方や女性も多く参加されているのが印象的でした。

総会会場に複数設置されていた液晶モニターがみなSHARP製

シャープ株主でもある私は密かに胸が熱かったです。

お買上げ誠にありがとうございます。

 

 

やたら丁寧な配布資料

株主総会では出席株主に別途資料が配布されました。

これがやたら親切。

事業戦略説明資料だけじゃなく、経営陣・執行役員全員の顔写真入りレジュメが配布されたんですね。

 

今まで約30社の株主総会に出席してきましたが、ここまで用意してくれる会社ははじめて。

てかよく見るとLINE株式会社の元社長、森川亮 氏が社外取締役に入っている・・・!

 

取締役だけでなく執行役員の方まで。

 

ここまでオープンなのはなかなか出来ないこと。特にやましいことがある会社は顔も名前もできるだけ出したくないですから。

LIFULL(ライフル)のオープンで透明性ある社風を感じました。

 

 

ローカルから海外まで幅広い事業展開

事業報告を聞きながら驚いたのが、事業領域の多さと広さ。

てっきり物件マッチングサービスHOMESだけかと思っていたのですが、ここまで広いとは思ってもいませんでした。

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(出典:LIFULL決算説明資料

 

 

私が個人的に関心があったのは、この空き家に対する取組内容だったのですが

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意外や意外、海外にも積極的に進出してました。海外の物件プラットフォームって意外と手薄なんですかね?

日本のきめ細かい情報管理文化は海外にはまだないのかしら??

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▲オーストラリア、ドイツの反響が上々とのこと

 

新規事業にも超積極的

ローカルから海外まで幅広く展開するLIFULL(ライフル)。それだけでもお腹いっぱいだと思ったのですが、さらに新規事業も仕掛けてます。

  • お花を届けるサービス
  • 訪問歯科医のポータルサイト
  • 遺品整理サービス
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みんな社内公募からはじまったアイディアなんだとか。また、LIFULLが新規事業に積極的なのは、井上社長が人材育成を重要視しているからだそうです。

当事者意識が高いほうが能力も自ずと高まりますよね。私も会社員からフリーになった身なのでよく分かります。

 

 

株主からの質問

では恒例の株主からの質問コーナー。主要なものをご紹介。

 

株主優待について

株主
ブランド浸透にあたっては認知度が必要。
特に若い人は株主優待から入って銘柄を知るケースも多い。
個人株主の裾野を広げるために、株主優待を検討してみてはどうか?

 

井上社長
今までは不動産物件サービスが事業内容。
優待内容として準備できるものがなかったのですが、うーん・・・。
新規事業でお花を届ける事業もはじめますし用意できるものがあるかもしれません。
ちょっと社内で検討してみます。

 

楽天ブランドの活用について

株主
楽天の資本が20%入っている。
楽天の知名度を利用して社名やサービス名に「楽天」をつけたほうが良いのではないか?

 

井上社長
たしかに楽天さんには20%出資いただいており、協業も進めている。
ただ楽天さんの持分法適用会社にはなるものの
子会社ではないので名前を使うことは現段階では難しい。

 

民泊の取り組みについて

株主
民泊の法律が施行されるが、我が社の民泊に対する考え方を教えていただきたい。

 

井上社長
2つの考え方がある。
①まずは日本の空き家問題を解決したい。
野村総研さんの調査では2033年には2100万軒の空き家が出てくると言われている。

②訪日観光客は年々増加のしており、宿泊場所が不足している。
空き家は不足する宿泊場所の受け皿として機能する可能性がある。

LIFULL(ライフル)は社会問題を解決しつつ事業を進めていきたい。

 

新卒採用について

株主
最近は景況が回復してきてどの会社も新卒採用で苦労している。
我が社はどうか?

 

井上社長
昨年は31名の新卒採用をすることができ、来年2018年3月には37名の新卒の方が入ってこられる。

当社は相思相愛型の選考を重視しており、内定辞退率がとても低い。

また、働きやすい会社ランキングでも賞を頂いた。

この方針を続けていきたい。

 

高齢者の賃貸環境について

株主
私は60代だが、物件を借りる場合日本は高齢者に対して審査が厳しい。
どうにかならないものか?

 

井上社長
おっしゃる通り日本の不動産は、
・高齢者
・シングルマザー
・LGBT
・外国人
といったマイノリティの方が借りにくい環境。
我が社はそんな不動産業界を変えていきたいと考えている。

 

サイトスピードの遅さについて

株主
HOMESのサイトは同業他社と比較して表示スピードが遅い。
どのように認識しているのか?

 

山田取締役
たしかに他社の物件サービスサイトよりも遅いことは認識している。
KPIを設定して日々サイトスピードを監視している。
もっと快適に使えるよう努力していく。

 

 

ITへの取り組みについて

株主
ARやブロックチェーンなど新しいIT技術が出てきている。
どのような取り組みをしているか?

 

山田取締役

賃貸契約についてはオンラインでも完結できるよう法律が変わった。

物件を内覧しなくても部屋の様子を把握し契約できる体制をつくっている。
転勤や異動が多いけど時間がない人にとっても利便性があがる。

また、不動産登記簿の内容が勝手に改ざんされないようにブロックチェーンで管理する方法も開発中である。

 

空き家情報の開拓進捗と今度の展開ついて

これは私が質問させていただきました。

カタオカ
全国の空き家バンクと提携を進めているが、各市町村の空き家バンクは空き家の実在数に対してほとんど登録されていないのが実情だ。
また、所有者は高齢の方が多くインターネットに触れる機会はほとんどない。

今後どのように空き家情報を開拓していくのか?

地道に開拓していくのか?それとも大々的にCMを打って認知度をあげていくのか??

 

井上社長
全国約1,700の自治体のうち空き家バンクを持っている自治体は約700。
掲載されている物件をすべて合算しても6,000件とご指摘のように少なすぎる。

そこで当社はHOMESで培った不動産登録のプラットフォームを自治体に無償で使って頂き一覧性を高くしてもらおうとしている。
現在約300の自治体から応募が来ている。

また、福井県鯖江市と提携した。他県にもこの流れを進めていく。

空き家は人の想いが入っている物件である。
CMを打って大々的にプロモーションするよりも、顔なじみの自治体の職員の方が相談に乗るような人に寄り添う形が良いと思う。

地道な開拓で長期戦になるが社会的に意義のあることなので進めていきたい。

 

LIFULL今後の展望

経営説明会ではLIFULLの事業展望に関する説明が。非常にきめ細かくかつ先進的。

不動産業界というと古い慣習が強いアナログでローカルな業界というイメージがあったのですが、LIFULLの方針はそこを変えていこうという意気込みが節々から伝わってきます。

 

やたらOPENで親切な社風の原点は何なのか?

不動産会社ってどうしてもクローズドで目先の儲け重視という黒いイメージがあるのですが、LIFULL(ライフル)がやたらOPENで親切なのは一体なぜなんだろう?

事業報告や株主の質問に対する回答を聞きながら 井上高志社長の原点について調べてみました。

 

そしたら出てきたのがこんな記事

 

リクルートコスモス在籍時代、井上には今でも忘れられない出来事がある。

ある若い夫婦に井上担当の新築マンションを気に入ってもらえた。

しかし、残念ながら住宅ローンの審査が通らず、夫婦は購入を断念せざるを得なかった。

契約できなかった夫婦の落胆ぶりは井上にも痛いほど分かった。

そこで井上はその夫婦のニーズに合う物件を探し回り、競合他社の物件まで片っ端から夫婦に紹介。結果、その夫婦は競合他社のマンションを購入することになった。

当然、それを知った上司からは大目玉を食らった。だが後日、その夫婦が井上のところにお礼を伝えに来てくれた。

その時の夫婦の満面の笑顔を見て、「あらゆる不動産情報を提供する仕組みをつくり、この笑顔をもっと増やしたい」と思うようになった。

(出典:ニッポンの社長

 

私はこの記事をみて、なんか納得しました。LIFULL(ライフル)が社会的に意義のあることに取り組んでいたり、レジュメの作り方が親切な所は、井上社長の顧客を想う姿勢から来ているのだと。

 

配布資料の冒頭にもこのように書かれていました。こんな姿勢が新卒を惹き付けるんでしょうね。

 

 

終了後は1Fレストランで懇親会

株主総会・事業戦略説明資料の後はなんと軽食が株主の方に振る舞われました。場所は本社ビル1Fで運営しているレストラン。

 

本日株主のために貸切状態。

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▲ものすごい人だかり

 

お味もLIFULL(ライフル)の社風を反映してか丁寧で優しい感じ。ご飯は玄米も選べます。

前日忘年会のドカ食い明けだったので胃袋に染み入りました。

 

経営陣も参加する懇親会

この懇親会株主だけ集まって食べて解散。かと思っていたのですがしばらくすると経営陣の方々も集結。

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フツーに株主の席にまわりながら本当に懇親を深めていました。

正直近すぎじゃないかって位。どこまでオープンなんだよこの会社・・・。

 

他の株主に話を聞いてみた

LIFULL(ライフル)は2006年上場した会社。株主の方々はどんな想いや考えで株を持っているのか気になったので、懇親会中に聞いてみました。

 

約10年前から株主の50代男性

株主

はじめはIPOで当選したから持ってただけだったんだけど、だんだん愛着が湧いてきちゃったんだよね。

井上社長は昔は脂ぎってたけど、今はいい感じで脂が抜けてきてバランス良くなってきた。

今6,000株ほどもってるけど今後も期待して保有していきたいね。

 

数年前に株主になった若い女性

女性株主
HOMESが使ったことあるサービスだったという単純な理由で3年前から株主に。

株主総会自体は今回がはじめてなんですがこんなオープンだとは思いませんでした。

 

60-70代の男性株主

株主

おれはネクスト時代から株主で毎年総会には来てるよ。

井上社長とも毎年話してる。あれ社長どこいっちゃんたんだろ。

また話したいんだけどな。

 

一度保有してしまうと、ファンになって株を持ち続ける方が多い印象を受けました。

株主から愛されてるんですな。

 

 

充実のお土産

最後にお土産を頂きました。内容は

  • ホームズ君タオル(今治タオル)
  • ピーコックのタンブラー
  • 1,000円のクオカード
  • 1Fレストラン1,000円分のお食事券

 

私はキャピタルゲイン派なので、おみやげの有無についてあまり気にしないのですが、かなりの充実内容に思わずほっこり。

特に保温タンブラーは買おうと思っていたのでドンピシャでした。ありがたき幸せ。

 

 

まとめ

国土交通省と協力して空き家問題に取り組んでいる様子を知るためだけに株を買い株主総会に参加したのですが、不動産というイメージを良い意味で覆す会社でした。

実体験を通じて会社のことを理解できるのが株主総会の醍醐味ですねー!

 

総会出席が第一目的だったので実は持ち株は売ってしまったのですが、ちょっと買い戻そう思います・・・。

 

今日の一句

”LIFULLの 窓はいつでも フルオープン”

 

 

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