【第7回】地域おこしのプロジェクトプランは文脈と観察が大事  #ローカルベンチャースクール

第7回はプロジェクトプランの発表

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最終回となったローカルベンチャースクール。
前回討議した内容をより具体化させて各自発表となります。

 

フィードバックを頂くメインコメンテーターはソトコト編集長&ETICの事業統括ディレクター

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ソトコト編集長 指出一正さん

ソトコトは元々環境問題を扱う雑誌だった。
2008年ETICと協業するようになり、ソーシャルエコマガジンに方向転換

何か地域のためを考える、今の時代のうねりはとまらない。

雑誌は今、斜陽産業だけど ソトコトの活動領域は雑誌だけじゃない。
自治体と組んで様々なプロジェクトを行っている。

 

【例】

・島根の学校の講師・・・4年で60名が受講 20名が移住

・広島県と組んで、3つのプロジェクトを実施・・・里山ウェーブプロジェクトひろびろ広島・あと1個メモのがした!

 

 

ぼくは広島県広島市出身なのですが、そんなプロジェクトが走っていたとは知らなかった。。。
ソトコトは写真が綺麗でたまに買ってます。

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(正月帰省した時に見た地元中国新聞の一面記事 元旦なのに悲しい)

広島の山間地域が過疎で困っているって、最近知ったのですが
そことも関わっているんですね。ふーむソトコト奥深い。

今月号はぼくの興味対象地域である江田島が取り上げられているので買ってみようかな。→kindle版を買いました。

 


 

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ETIC 事業統括ディレクター 山内幸治さん

元々教育に興味があり、海外インターンに多くの大学生を送り出す。

海外のインターンは半年間と長い。長い期間を経てたくましくなってくる。
それと比べると日本のインターンは短く、意味が無い。

 

アメリカのインターン事情を研究していくと
小規模NPO や ベンチャー企業と非常に相性が良いことがわかった。

NPOやベンチャーに就職となると不安を覚えるけど、
期間限定のインターンなら働いても良いという学生が多く

両者をマッチングさせた結果
インターンがNPOやベンチャーの人材不足を解消していった。

 

今は東北NPOの運営を助ける右腕を募集する
右腕プログラムを運営している。

 

昔は事業を立ち上げるには、一定の資本が必要だった。
今はSNSがあればOK。

事業を立ち上げやすい環境である。

 

 

学生の頃、ETICが主催するプログラムに何度か行った記憶があります。
ぼくの大学生の友人も大手企業を辞めて、ETICのプログラムを使い
東北に行っているので、身近に感じている団体です。

参考新みちのく仕事 渡部慶太

 

 

今回はこのおふた方がメインコメンテーターとして
各事業プランにフィードバックしてくれます。これはなかなか貴重な機会です。

 

8名のプロジェクトプラン発表

今回は希望者が前に立ってプレゼンできる方式。計8名が手を挙げました。

というわけで、各プロジェクトの内容をざざっとご紹介していきます。
(内容不十分でしたらコメント欄にて補足いただければ幸いです)

 

森の絵の具

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東京のコンクリートジャングル。そこにもっと緑を増やしたいと考えるコケ好きの青年。

 

そんな彼が提案する事業は、コケを壁に描くビジネス。

出典:pouch

コケとヨーグルトをミキサーにかけ、その液体を壁に塗ると
2-3週間後 その塗った部分だけにコケが生えて
絵が描けるんだそうです。

モスグラフティ といわれるものなのですが、こりゃ面白い!

このモスグラフティセットを通販で売っていきたいとのことです。

 

うちのベランダにもやってみたいな。

壁部分に ”ベランダゴーヤ研究所” と描きたい。

 

公務員を辞めて西粟倉にいくと人づてに聞きました。
アブラボさんや難波亭とコラボしたら面白そう!

 

【会場からのフィードバック】

・競合が出てきたらどうするのか?→ コケが世の中広がればいいと思っているので全然問題ない。(熱いっ!)

・日々のメンテナンスは?→ 水と光があれば育つので、水やりさえやっておけばOK。

・地下鉄の駅は鬱屈としているので コケがあると癒やされそう。

・外来種など生態系を壊す心配はないか? →地場産のコケを選ぶので問題ない。

 


西会津短期留学プログラム 五升蒔(ごしょうまき)

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アートやジョセササイズなどユニークな町西会津の地域おこし協力隊 荒海さんの発表。

 

西会津は会津若松市の左に位置します。

 

 

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地元が西会津の荒海さん。表面的じゃない西会津の魅力を知ってもらいたい想いから
地域に住む人たちという切り口でツアーを企画。

 

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東北地方って全体的に保守的というイメージがあるのですが
西会津は、どんどん新しいアイディアが生まれる土壌があるそうです。

 

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3年間かけてプログラム内容をブラッシュアップし独立する計画。

 

【会場からのフィードバック】

・どんなお客さんがくるのか? 対象を明確にイメージせよ。
例:子どもを対象とした1次産業ツアー

・荒海さんは地元を出て、他の地域に住んで地元に戻ってきた。単眼ではなく複眼。
他と比較できる軸があるのが強みである。

・西会津じゃないとできないことを突き詰めるべし。

 

 


美山クラフトマンツーリズム

 

 

鹿児島県の美山を舞台にしたツアー。

 

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焼物が有名な町らしく、イベント時には10万人動員。しかしそれ以外の日は閑散。
日常的に人が来る土壌を作りたい。

 

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美山は、各名所が徒歩で歩き回れるほど、程よく集まっているそうです。

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徒歩でまわることをベースに作られた、盛りだくさんのプログラム。

 

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具体的な収支内容。リサーチの跡が伺えます。

 

【会場からのフィードバック】

・いいものがありすぎると、訴求力が弱まる。もっとツアー内容に編集がいる。

・数を減らすと良い。  高知のある町。高知といえば?で想起される上位10位のものを切り捨ててコンセプトを作った。

・器だけじゃなく、美山の食を通してPRしてはどうか?タチウオが全部乗る皿とか。

・ターゲットは誰か?女性はよく旅行に出かける。

・首都圏の周辺にも笠間など焼き物が有名な場所は多くある。そことどう差別化するのか?

 


訪日外国人を対象としたふるさと留学

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滋賀県からわざわざ毎週東京まで通ってきている超アグレッシブな大学生 はしもとかなさん

現在興味を持っている高知県を舞台とした事業を提案。

 

地域で困っている人たち ⇔ 日本語を学びたい外国人

1ヶ月20万円で受け入れる。
ただし、現地で手伝いをすると、上記金額から割り引かれる。

 

外国人にとっては、深い日本を知ることができ
地域にとっては、若者がくる

というメリットがある。

 

都市部ではなく、田舎で行うことに意義は
非日常的な雰囲気を演出できるから。

 

【会場からのフィードバック】

・主要スポットを既にまわり、2回目にきた外国人がターゲットとなる。
その外国人がなぜ高知に行く必要があるのか?文脈を作ったほうが良い。

・高知県はインバウンドが弱い。何かしらの施策を売っているのでは?
県が実施している施策の文脈も意識すると流れに乗っかれる。

 


さいわい人ツアー

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自治体に自ら逆提案する形で、地域おこし協力隊になることを考えている恒東(つねとう)さん。

ご自身の介護で苦労した経験から、介護の初任者研修をする場所を作りたいそうです。

他にもスペシャルインタレストツーリズムという、
主要観光地から少し離れた地域のスポットライトを浴びていない資源をめぐる観光ツアーにも興味。

まだ事業内容を模索中のようです。

 

ちなみに恒東さん、太陽光発電の設置事業を昔されていたらしく
旧モデルの太陽光パネルが余っているとのこと。

ぼくがやってるゴーヤの水耕栽培は、
エアレーションと水流を起こすために外部電源が必要なのですが

▼参考まるでターボエンジン。我が家の DIYハイポニカ水耕栽培装置を解説します。

 

太陽光パネルがあれば、屋外でも電源の制約を受けずにやれそうだなと、先日話が盛り上がりました。
ゴーヤ事業を本格化する際にはいろいろ相談してみようと思います。

 

 


鹿野古民家プロジェクト

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OLで働くことに世界の狭さを感じてローカルベンチャースクールに参加した女性Eさんの発表。

ぼくも似た背景なのでよく分かりまする。

▼参考:ローカルベンチャースクール を今日知って、説明会に行き、即申し込んできた。

 

Eさんが注目されているのは、鳥取県の鹿野という場所。

2004年に既に鳥取市と合併している地域のようです。市の中心部からやや離れた場所ですね。

 

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鹿野は城下町だったらしく、状態の良い空き家がたくさんあるとのこと。

 

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古民家カフェはあるけれども、宿泊機能を持った施設がないことに注目したEさんは
古民家を拠点とした宿泊体験プログラムを提案します。

 

【会場からのフィードバック】

・元々人の流れが無いところに、流れを作るのは大変。

・今ある人の流れをつぶさに観察することで、鹿野への導線につながるヒントが見つけられるかもしれない。

 

 

【僕の個人的な意見】

発表内容にあった400年の歴史を持つ城下町。ここに何か資源があるように思いました。

ちょっと調べてみたところ、家康の孫なのに、お家騒動で鹿野に出向するハメになった池田輝澄さんなんかが
掘り下げると面白そう。

 

あとEさんも言っていましたが、鹿野には虚無僧行脚という奇祭があるようです。

出典:いんしゅう鹿野 まちづくり協議会

 

出典:鳥取因幡観光ネット

これ、なかなかエッジが効いて面白い素材なんじゃないかと。
個人的に虚無僧体験してみたい。虚無僧の大冒険、コムソーヤ。

尺八は吹けないのでリコーダーで。

 


フィットネス・フェリー

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わたくしの発表でございますw
他の受講生の方が撮っていてくれました。thanks!

 

下記が発表内容でございます。

 

先日江田島に行く際にフェリーに乗船したのですが、この移動時間を資源として使えないかなと考えました。

フェリー船内で

・フィットネス
・マッサージ
・お稽古事
・散髪
・くつみがき
・ショートセミナー
・物販

などいろんなサービスを提供することで、魅力化できるんじゃないかなと。

その中で語呂的によさそうということで フィットネス・フェリー というタイトルにしました。

 

【会場からのフィードバック】

・インストラクターの人件費はどうやって拠出するか?・・・乗務員が兼任? 運賃+α の対価をもらう?

・どんな年齢層の人が何人ぐらい乗っているのか?・・・すみません、リサーチ不足です。

・フォットネス好きのマッチョな男たちを揃えると、女性がついてくるのでは?

・フィットネスいらないから値下げしてくれという要望が来たらどうするか?・・・やはり多少 現状運賃 +α したほうがよさそう。

・海士町の場合、道中2時間の静かな時間が、1人になれる大事な時間だったりする。現利用者のシーンとマッチさせることができるか?
・・・仕事帰りに夕日をゆっくり眺めながら帰れることに至福の時を感じている人もいる。

 

 

総じてまだまだリサーチ不足ですな・・・・

ちなみに他に考えていたアイディアは下記の通りです。

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顔ハメ ・ カレー   やりたいことたくさん過ぎて困ります。

 


どこでも星空解説員

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元新聞の記者。現在は日本未来科学館などで学芸員・解説員を務める谷さん。

星に関する知識や撮影技術がハンパないです。

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この技能を活かして、放浪書房のように、旅をしながら星を解説する仕事ができないかと考えています。

 

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しかし難しいのがマネタイズ。
どのようにお金をもらうのか?グッツ販売?望遠鏡やカメラの実演販売?
に悩まれているようです。

 

【会場からのフィードバック】

・昔の紙芝居屋のように、コーヒーを出しながら解説してみては?星空コーヒー。(by指出さん)
・・・おおっ!このオシャレなアイディアに思わず会場も沸きます。

・宿とのコラボレーション。例えば星野リゾートのような高級宿泊施設。夜星空をガイドを受けながら見たい人はいるはず!

・星空をスマホで綺麗に撮影するノウハウを研究。
ワークショップを行う。SNSで拡散し宣伝効果も期待できる。

・フェリーの船上でできないかなw(byぼく)船が動いているから難しいか。。。

 


総括

会場からのフィードバックでよく出てきたのが ”文脈” ということば。

どんな人が、どういったきっかけでその地域に行くのか?
その理由付けをもっと掘り下げる余地があるということです。

そのためには、地域の歴史・人の暮らし・周年地域の動向などをつぶさに観察する必要があるなと思いました。

 

 

最後にお二人の締めのコメントを紹介して、本記事を締めたいと思います。


▼指出さん

・・・辛口でスミマセンでした(笑  迷ったら楽しい方を選ぶべし。
過去にこれほど地域が面白い時代はない。静かに余生を暮らすじゃなく、
自分の自己実現を主とした攻める移住がいい。

▼山内さん

・・・全体的にツアーが多い印象。 自分がこれが好きだ!×地域 が強い。
自分がやってて楽しいことは何か?を突き詰めて考えるべし!


 

今日の一句

”観察が 文脈つくる 地域かな”

 

 

▼参考 当日オブザーバーで参加されていた八幡平の自治体担当者 中軽米さんのレポ!

【潜入してみた】ローカルベンチャースクール準備クラス第7回で、可能性と志を感じまくってきたよ!

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