WEBやインターネットが得意だと、メカ全般も詳しいって思われませんか?
先日も訪問する客先からFAXの調子を見てくれ的な依頼が来たり。ゴーヤ研究所と打ち出しているけど、いったい私は何者なのでしょうか笑?
さて今回はクソ古いパソコンからのデータ救出の依頼がありました。方法をググってもなかなかジャストな記事がなかったため備忘として書き残しておきます。
目次
約20年前のパソコン EPSON PDCシリーズ
今回対象となる機種は、EPSON製のパソコン PDCシリーズ という機種。製造時期は約20年前。
プリンターのイメージが強いエプソンがパソコンを製造していたことは知っていましたが、けっこう前から作ってたんですね。家電屋であまり見ないから法人向けが多いのかな。
▲年季というか貫録を感じさせる外観
フロッピーディスクという響きが懐かしい
スペック情報は標準のものしかWEBに残っていませんでしたが下記の通り。
CPU | Intel® Celeron® プロセッサ 1.30A GHz |
---|---|
メモリ | 標準:128MB×1(PC133対応 SDRAM) 最大:512MB(256MB×2) |
ディスプレイ | 15型/TFTカラー/1024×768ドット(XGA) |
内装ドライブ | 3.5型 FDD (フロッピーディスク) CD-ROM(24倍速) |
ハードディスク | 20GB |
主要接続端子 | USB/PCカードスロット/RGB |
重量 | 7.9kg |
今のパソコンのスペックと比べると隔世の感がありますね。
- メモリ:128MB⇒4GB (約30倍)
- 記憶容量:20GB⇒256GB(約13倍)
20年も経過すると性能のUP幅が半端ないです。
あとフロッピーディスクなんて言葉、今の20代以下の方知らないんじゃないかな?(笑)
ちなみにOSはWindows98。今2018年です。ひぇー!
古いパソコンは地味に重要な役割を担っている
さて依頼の具体的内容は下記の通り。
この古いパソコンに格納されたデータを抽出したい。
銘板を印刷する機械専用PCとして活用していたが、この頃動作がいよいよ怪しくなってきた。
お釈迦になる前になんとかしたい。がUSBもCD-ROMも認識しない・・・
古いパソコンじゃないと動かない機械ってありますよね。メーカーの工場では今でもPC-98シリーズでないと制御できないラインがあるらしく、部材がヤフオクで高値で取引されているそうです。
今回のEPSON製パソコンも重要な任務を担い続けてきたわけですね。
フロッピーディスク(FDD)経由での救出にトライ
USBもCD-ROMも死んでるということで唯一生き残っていたのがフロッピーディスクドライブ(FDD)。
とりあえずこいつをつかってデータを救出しようと試みたのですが・・・
フロッピーディスクの記憶容量って1.44MBしかない!スマホの画像すら入らない記憶容量。抽出するデータの総量はたった10MB程度なのにフロッピーディスクの制約のため膨大な回数バケツリレーしなきゃいけなさそう。
昔SONYがフロッピーディスクで撮れるデジカメを販売してましたが、よく保存できたなぁと思います笑
ちなみに今amazonでフロッピーディスクを買おうとするとものすごいお値段。レガシー技術を切実に求めてる人けっこういるんですね。
転送速度も遅く時間がかかるので数日に分けて抽出することにしました。
タイミング悪くパソコンが壊れた
抽出し残したデータを救出するべく翌日パソコンを起動してみると・・・なんと全く起動しない。タイミングの悪いことに壊れてしまったようです。
そこで基盤の接続をチェックすると直るかもと考え、背面パネルのネジを外してご開帳。
おぉーなんかメカ感が出ててワクワクします。
メモリ部品をのぞいてみたら、韓国HYUNDAI(ヒュンダイ)製でした。ヒュンダイって車メーカーじゃなかったっけ??ハイニックスなら知ってるけど。
てか20年前から韓国は半導体で存在感を出してたんですねー。
とりあえずものすごい量のホコリがたまっていたので清掃し、電源ON!
ホコリが詰まりすぎて動かなかったCPUファンが回り始めました。が!パソコン側は一向に起動せず・・・。
台座を解体しハードディスクを救出
様々な部品をつけたり外したりいて問題を切り分けてみたものの、どうも基盤自体に異常が発生してる模様。
となると最終手段は1つ!ハードディスクの抽出。そんな簡単に壊れるものじゃないので、HDDさえ取り出せればなんとかいける気が。
台座部分をガチャガチャ解体。すると、電源ユニット横に
隠れていたハードディスクを発見!スライドさせて取り出しに成功。
難産だった赤子をやっとの思いで取り上げた助産師さんの気分です笑。
救出したHDD SV4002Hのスペック
メーカー機種名を調べると
サムスンのSV4002H というモデルでした。またしても韓国メーカー。20年前からこの領域強いですねー!
スペックは下記の通り。
ブランド | Samsung |
---|---|
メーカー型番 | SV4002H |
HDD容量 | 40 GB |
回転数 | 5400rpm |
キャッシュ | 2MB |
接続規格 | IDE |
今のハードディスクやSSDでは「SATA」という規格名をよく耳にしますがこの機種はIDE。
調べてみるとSATAより前に主流だった規格のようです。
このIDE規格に合致するUSB変換ケーブルがあればうまく取り出せそうとAMAZONで調べまくった結果・・・
サンワサプライ IDE/SATA-USB3.0変換ケーブル USB-CVIDE5を買う
サンワサプライが販売しているIDE/SATA⇒USB3.0 変換ケーブルを購入。2,600円くらい。
もっと価格の安いものもありましたが、
- ノーブランドで信頼性が?
- 別途電源ケーブルが必要
- 中国発送で時間がかかる
という理由でやめました。
データ救出の切実度が高かったので、変にケチって損したら悲しいですからね。
USB-CVIDE5の梱包物
中身はこんな感じ。きちんと日本語の説明書がついているのは超安心。誤った使い方でハードディスクをぶっ壊したり消したりするのはマジ勘弁ですからねー。
IDE接続自体も超簡単
接続作業も説明書を読めばスルスル。ハードディスクの接続端子に
電源ケーブルと変換ケーブルを装着。あとはパソコン側のUSBに挿すだけ。
ハードディスクのウォォォォォンという回転音がはじまりました。無事接続できているようです。
Wondows10 パソコン側の認識画面
さて気になるのが、元々Windows98が入っていたハードディスクをWindows10が入ったパソコンがどのように認識するか?ということ。
こちらがスクリーンショット。USBメモリを接続したような感じで認識していました。
当該ファイルも階層を潜っていくことでフツーに発見。必要ファイルを丸々ノートパソコン側にコピーしてデータ救出完了しました。
フロッピーディスクよりも俄然早い・・・
まとめ:古いパソコンからのデータ救出はHDD経由が早い
というわけでお釈迦になったwindows98が入ったパソコンからデータを救出しました。
思い返すと速度や手間から考えてフロッピーディスクでバケツリレーするんじゃく、はじめからハードディスクから吸い出せばよかったなと。
仮にフロッピーに抽出成功したとしても、またそのデータを取り込むのにUSB接続のフロッピードライブ買わなきゃいけないことを考えると、変換ケーブルで1発解決するのが賢明と思います。
古いパソコンからのデータ救出で四苦八苦されている方の参考になれば幸いです。
今日の一句
”フロッピー バケツリレーは ゲロッピー”
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