【2Q上振れ】シャープ株主が2017上半期決算を辛口分析してみた。

シャープ崖っぷちから脱出

10/27(金)に愛するシャープの2Q決算が発表されました。

市場予測よりも大きく上振れたサプライズ内容で投資家からの反応も上々です。

でも本当に大船に乗った気持ちで安心しきっていいのでしょうか?

シャープを愛する株主ゆえにシビアな目線で2017年2Q決算内容をレビューしていきたいと思います。

 

液晶ディスプレイ事業が躍進を支える

液晶事業への過剰な投資がシャープの業績を大きく悪化させた というのが世間の一般的な認識ですが、好調な2017年2Qの業績を支えたのはその液晶事業でした。

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(出典:シャープ決算プレゼンテーション資料

 

決算資料によると、海外への販路拡大や、車載・ゲーム需要の開拓が効を奏したと伝えています。

液晶テレビ事業は、中国での大幅な販売拡大に加え、欧州やアジアでも売上が増加したことから、増収となりました。

ディスプレイ事業は、大手顧客向けを中心にスマートフォン用パネルやタブレット用中型パネルが好調に推移し、車載用・ゲーム用パネルも伸長したことから、前年同期を大きく上回りました。

 

今北米市場で争点となっているハイセンスとのシャープブランド使用権問題(※)が解決すれば、さらなる躍進が期待できますね。

鴻海の販売ネットワークまじですげぇぇ。

 

(※)

シャープが2015年7月業績低迷時、アメリカでのシャープブランド使用権をハイセンスに期限付きで売却。

それが足かせとなり別ブランドにしないとアメリカでテレビが売れない問題。

クソーなんであん時売っちまったんだよぉぉぉ!!

 

しかし液晶パネル売価ダウンで720億円の利益減

好調で順調に復活しつつあるシャープですが、決算資料をさらに読み込んでいくとちょっと不安要素が・・・

 

それは液晶パネルの単価下落!

売価ダウンによって本来なら720億円の損失が発生するところを、コストダウンと販売増でカバーしたのが実情です。

有機ELの登場で競争力が低下しているのでしょうか??

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(出典:シャープ決算プレゼンテーション資料

 

 

液晶パネルの単価推移を調べてみた

実際の液晶パネル単価はどのように推移しているのでしょうか?

海外の価格データをうまくまとめているサイトがありましたので、そのデータをもとにグラフを作成してみました。

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(出典:Flat Panel TV and Display World

 

うーん確かに7月以降下落しています。。。

この下落ペースが続くと、コストダウンや販売増ではカバーしきれないぞ・・・!大丈夫なのか??

 

なかなか改善しない売上高原価率

またシャープについては以前からパナソニックやSONYと比較して売上高原価率が高いと指摘していましたが、液晶パネル単価下落の影響もあってか改善が大きく進んでいるわけではありません。

株主としては、液晶パネルの単価を維持し、原価率を改善させることで利益を大きく伸ばしてほしいですね。

この数値は引き続き注視します。

 

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8Kテレビは液晶復権の金字塔となるか?

液晶パネルが単価する現在の外部環境を鑑みると、2017年の12月にシャープが8Kテレビを発売する意義がよく分かります。

 

今家電量販店のTV売り場はほとんどが有機ELテレビ推し。液晶テレビの存在感が弱いです。

「だけど高精細化においてはまだまだ液晶の方が利があるぞ!」

8Kテレビの発売にはそんなシャープのメッセージを感じます。

▲実際8Kテレビが家電売場に並んだら結構なインパクトだと思う。

 

 

まとめ

鴻海によるコストダウンと販売ネットワークによって復活しつつシャープ。その復活を握るのは液晶パネルの復権です。

 

私もつい最近まで有機ELパネルの方がいいかなと思っていたのですが、自然な色味・価格・耐久性・8Kの圧倒的な精細さを鑑みると、液晶もやり方次第ではまだまだポテンシャルを感じます。

 

 

8Kテレビ発売の影響も加味される3Qの業績はどうなるのか?株主として楽しみに待ちたいと思います。

 

 

今日の一句

”8Kが 液晶復権 握る鍵”

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