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目次
プログラミングスクールの社内研修が熱い
現在渋谷のプログラミングスクール(DIVEINTOCODE)にて週1-2回メンターの仕事をしております。ありがたいことに、そこでは月に一度顧客サービス向上のため社内研修を実施しています。
7月は外部の方を招いて講演していただいたのですが、なかなか目からウロコな内容でしたのでブログ記事にしてみました。エンジニア・プログラマー志望の方に限らず、すべての方に当てはまる話だと思いますので是非最後まで読んで頂ければ!
講師はサイボウズ・ラボの西尾泰和(ひろかず)さん
今回講演していただいたのは、サイボウズラボの西尾泰和(ひろかず)さん。
▲サイボウズだから坊主頭?(出典:西尾泰和さん公式HP)
IPA(経済産業省所轄のIT国家戦略を支える団体)に未踏スーパークリエイターとして認定された方です。
今回お話して頂くテーマは「エンジニアの学び方」。プログラミングを未経験から学ぶものとしては非常に気になります。
著書も高評価!
固定化した 「教える⇒教えられる」 関係って正しい?
西尾さんは問いかけます。
下記のような関係って普通に世の中に受け入れられているけど正しいのか? と。
確かに
- 学校における「先生⇒生徒」
- 部活では「先輩⇒後輩」
- 社会に出ても「上司⇒部下」
というように、教える⇒教えられる関係って多く溢れていますよね。
そして一度この関係が構築されてしまうと変わることはほとんどありません。
けれど持っている知識や経験量・得意分野はそれぞれ違います。
仮にAさんがBさんに逆に聞きたいことができても、固定化された関係ゆえに聞きづらい。実際こういう場面て多いんじゃないでしょうか?
例えばIT関連は若い人のほうが詳しいけど、上司という体面上直接聞きづらいとか。
2020年よりプログラミングが義務教育で必修化されるけど、先生より生徒のほうが詳しいとか。
互いに知識を交換する学びスタイルが良い
そこで西尾さんはお互いに知識を交換し合うモデルが良いと提唱します。
ある領域においてはAさんは知識も経験もBさんより勝っていますが、分野によってはBさんが得意なこともある。
教える↔教えられる関係が随時変わる。
そして互いの得意な知識を交換し続けることによって、学びが継続されていくと西尾さんはいいます。
メンター業務は得られることが多い
自分自身の経験で言うと、今やってるメンター業務って、自分の知識明確化・定着に役立っているんですよね。
受講生の方の素朴な質問がけっこう本質を突いていて、「そういえばコレってどういうことなんだろう?」と自分で調べた結果、知識がより深まる。といった場面に結構出くわします。
(出典:DIVEINTOCODE)
また、極真空手の先生、DJ、僧侶、小学校の先生など普段接することがない様々なバックグラウンドを持つ受講生の方の話を聞くのが新鮮で刺激になってます。
どうすれば学びあう組織を作れるのか?
ではどうすれば学び合える風土を醸成できるのでしょうか??
西尾さんは2つのポイントがあると言います。
①小さな失敗を許容すること
間違えることが学びを早めます。エンジニアの場合だと、数多くのエラーにぶち当たった方がプログラムの仕組みを深く理解できるように。プロだから、教える側だから間違ってはいけない&完璧性を追求しすぎてしまうと逆に学びの総量は減少してしまいます。
ぼくの前職最後の職場では、上司が極端に失敗を嫌う人でした。
新しいことに取り組む中で発生する小さな失敗を見つけてはチクチク指摘。結果みるみる減衰していくやる気。そして同僚同士も疑心暗鬼になる始末。
振り返るとこういった上司の元につくと、その部署の成長はほとんど期待できなくなるんだろうなと今回の話を聞いて思いました。辞めてよかった・・・
②多様性を確保する
同じような属性の人が集まっても学びの幅が広がりません。
バックグラウンドがバラバラなほどそこで学び合える知識の幅が大きく広がります。
エンジニアの場合だと、Javascriptが得意だったり、CSSが得意だったり、PHP、ワードプレスが得意だったり・・・みたいな感じですかね。
前職最後の方で感じた閉塞感の正体は、この幅の狭さだったのかなと西尾さんの話を聴いていて思いました。
中途採用が多いのでそれなりに幅はあったのですが、年功序列の組織構造で学び合う風土ではなかったし、異動も限られていたのでだんだん思想思考が凝固していく感覚に苛まれていました。
例えば、みんな家や車は買うのが当たり前で、そのローン返済に対応するために割り切って働くスタイルが主流。休日は社内ゴルフコンペが開催され上司先輩が参加するのでなかなか断りづらい的な。(←1回も行きませんでしたが)
他に選択肢はあるはずなのに・・・
今のフリーランスとしての働き方は毎日接する人が変わるし流動性があるので、日々学びがあって面白いです。
ブロガー界隈も言える
あと「教える⇒教えられる」が固定化された構造ってブロガーの世界でもいくつか散見されるような気がします。
【○○すれば□□PV 収益✕✕円 達成できるぜ!だからこのサロンに入りやがれコノヤロー!】
みたいな。一方通行すぎて窮屈な感じがします。
あ、ちなみにヨッセンススクールはいいですよ。教え合う風土を主催者が醸成してくれています。
西尾さんは常に進化する
講演って大体言いっぱなしスタイルが多いのですが、講演のあと西尾さんがしきりにフィードバックを求められていました。学び合うを地で実践されてる方なんだなと。
ちなみに西尾さん、中高は灘、大学は京大のスーパーエリート。だけど全然偉ぶったところがなく、むしろ今回の講演を通じてご自身も学ぼうとされる姿勢に、ぼくもこうありたいと思いました。
多様性の大事さの図が面白かったので引用して追加説明を書きました。(引用がダメなら言ってください。自分で描きます。)https://t.co/4MDWtJlnOh
— nishio hirokazu (@nishio) 2017年8月9日
まとめ
シャープのカリスマエンジニアだった「ロケットササキ」こと佐々木正さんは分からないことは社外の人でも教えを請い、逆に請われれば教えるという「共創」という思想でシャープの一時代を築きあげました。西尾さんの思想と共通する部分があって面白かったです。
メンター業務は「教える⇒教えられる」がある種固定されやすい仕事ですが、多様なバックグラウンドを持った受講生が来られるので、一方的でない学び合うということを意識して取り組んでいきたいと思います。
今日の一句
”西尾さん プログラミングの 才坊主”
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