第2回 全国民泊推進ネットワーク協議会@広島は 地方民泊の最先端がつまったスゴイ会じゃった。

地方×インバウンドが面白い

地方創生とインバウンドは相性が良いと感じており
隠れインバウンド銘柄を2年前から保有し続けているミンチ研究員です。

(なかなか騰がってくれんのんじゃけど 汗)

 

昨日友人に誘われまして、
今話題の地方民泊に関するイベントに行ってきましたので、その様子をレポします。

 

開催場所はなんと広島

民泊というと東京など都市部が話題になっていますが、

  • 都市部の投機的な民泊とは違う
  • 地域の課題を解決していく持続可能な民泊
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を事務局は目指しているようです。

 

 

ということで開催場所は地方都市の広島。

会場は、平和公園敷地内の国際会議場でございます。

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タイミングよく土日広島に帰省していたので、有給とって参加してみました。

2週間早かったらオバマっちに会えたかな・・・。

 

面白そうな式次第

こちらが配布された式次第。

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マクロな視点から、現場系のリアルな情報まで なかなか興味深いプログラムです。

 

来場者は100人!+多数のマスコミ

会場に入ってみてビビったのが、多くの来場者とマスコミの数。

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▼自治体関連

  • 広島県庁
  • 安芸太田市
  • 江田島市
  • 廿日市市
  • 防府市

など近隣市町村および、全国の自治体担当者

 

 

▼民間企業

  • HIS
  • 広島銀行
  • 広島信用金庫
  • ジャックス
  • ランドブレイン
  • ビックカメラ
  • 帝国データバンク

 

などそうそうたる顔ぶれ。(漏れあったらゴメンチャイ)

 

マスコミは 広島の各テレビ局 および中国新聞。

 

民泊ってこんなにも注目度が高かったのか・・・!

 

事務局長はスゴイ人らしい

この全国民泊推進ネットワーク協議会を運営している事務局は、おもてなしJAPANという企業なのですが

そこを取りまとめているのが、内木康之 氏。

 

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登壇されると、えっ内木さんが代表なの?すごー って声が後ろのほうから聞こえてきました。

なんか業界では有名な方っぽいです。

 

 

おもてなしJAPANとは一体なんなのか?

冒頭の説明によると、
・違法ではなく、正しい民泊を目指す

・都市部ではなく地方が舞台。各地方の中小建設業社で構成される
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ことが特徴のようです。

 

民泊っていうと
バカ騒ぎ・ゴミを撒き散らかす外国人 が来るという負のイメージもありますからね。

これらを払拭し、受け入れ側・利用側が安心して使える枠組みの確立は重要だと思います。

 

 

 

江田島市における民泊の方向性に関する提案

発表のトップバッターは江田島市の地域おこし協力隊員、後藤峻 氏

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実はぼくの高校の同級生だったりします笑。

 

後藤くんは東京で都市や地域活性のコンサルとして活躍後
今年の4月より江田島市の地域おこし協力隊として赴任。

 

現在までの約2ヶ月、江田島市の空き家と移住希望者をマッチングさせる現場に立ち会ってきたそうです。

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売れる空き家と売れ残る空き家

2ヶ月間の活動を通して、人気の空き家と断られる空き家の傾向が見えてきたとのこと。

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島という場所柄、海が見える & 駐車場 というのが人気物件の要素なんですねー。

そして意外だったのが、広すぎて断られる ということ。

 

田舎に移住する人は、広い家に住みたい動機の人が多いのかと思っていたのですが、
広すぎると手入れが行き届かずスペック過剰となるようです。

 

もしかするとこういった大型すぎる物件は、移住者向けではなく

複数人でやって来る外国人観光客向け & 学校の合宿所
といった事業拠点 
として活用したほうが良いのかなと聞きながら思いました。

 

まだまだ伸びしろのある江田島

後藤くんが感じている課題としては、江田島には宿泊を伴ってくる観光客がまだまだ少数派だということ。

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地域資源・観光資源の種は多くあるにも関わらず、

コンテンツとして整備されていない ため滞在時間が少なく

加えて 宿泊施設そのものがない から。

 

したがって1人あたりの観光消費額はわずか1,380円 だそうです。
ランチとジュースで終了??

 

たしかにぼくも昨年末江田島を調査した際、どこが見どころなのかイマイチ良くわからなかったんですよね。

広島からのフェリーも種類が多くてどれに乗ればいいのか良く分かんなかったし。

なので車で切串から入り、ザーザーとまわって終わっちゃいました。

 

 

だから後藤くんとしては

コンテンツと宿泊施設の整備を 民泊マネジメント会社 という手段を使って実現していきたいとのこと。DSC07946

 

んーめちゃくちゃ面白そうだ!

 

 

地震大国日本における旧家屋の耐震対策について

発表者は工学博士のアブドゥール・バセム氏。

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一体どこの国の方なのか名前からは想起できないのですが

日本語ペラペラでした。

 

空き家や古民家の活用となると、気にかけなければいけないのが耐震性能。

バセム博士は

建築基準法が過去改訂されたタイミングを基準に

日本家屋の特徴を詳細に調べられていました。

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玉石基礎、ショボすぎる!

テントじゃん・・・

 

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昭和56年以前の建物は目も当てられない・・・

広島市内にある実家は、ぼくが産まれる前からある木造住宅なのですが
地震が来たらやばいなぁ・・・。

 

 

 

 

で、すごかったのがこの衝撃の数字。

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昭和55年 以前に作られた木造住宅の 98%
平成12年
以前に作られた木造住宅の 90%

について、耐震性能が不足しているとのこと。

マジカ!

 

てことは大地震がきたら古い木造空き家は、ほぼ確実にアカンってことか・・・。
せっかく民泊で泊まってくれたのに、地震で家屋が崩れて死亡って悲しすぎますからね。
ぼくも熊本地震で被災して、その怖さは痛感しましたよ・・・。

 

かといって耐震工事を家主が負担するのは現実的ではないですよね。
放置してても違法じゃないし。

だから正しく安全な民泊を推進していくためには
後藤くんが構想するように 第三者機関が整備していく 必要があるんだろうなと思いました。

 

富山県魚津市における空家と民泊の必要性

発表者は 有限会社オオウラの社長、大浦正春氏。

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富山県の畳屋さんの4男坊。

幼い頃から父親の畳づくりに興味を持って手伝っており

畳の需要が減っていく厳しい状況ではあったが後を継がれたそうです。

 

ただ、日本的な和室を望む外国人観光客が増えており、畳の需要が増える兆しが。

 

尻すぼみだった畳需要が、インバウンドを境に復活するというのがなんとも面白いなと。

ひょっとすると畳以外にも潜在的な需要が見込める伝統斜陽産業があるかもしれませんね。

 

あと、大浦さんはまだ若い(20代?)にも関わらず実家を継がれており、

実家の家業を放置している長男のぼくとしては、素直に立派だなぁと思いました。

 

個人的には司会進行の勝瀬典雄さんがナイスアシスト。
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若い人にもやさしい、おもてなしJAPAN。

 

 

国の民泊に関する方針と制度整備状況について

現場系の話は終了し、マクロ的な話に。

発表者は、ランドブレイン株式会社 顧問 野々山桂 氏

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民泊・みんぱく と現在騒がれているけれども、ほんの最近のこと。
話題のAirbnbは2008年アメリカで創業されたが、日本法人ができたのは2014年。

 

しかし行政側では急ピッチで検討が進んでおり、2017年には民泊に関する新法令が成立する見込み。

 

 

現在合法民泊特区は下記3エリアのみ。

・東京都大田区・・・法施行済

・大阪府・・・法施行済

・大阪市・・・法案成立段階(未施行)

 

7泊8日以上の滞在?が必要だったりと制約が多いためか、一番多い大田区でも20件弱の申請にとどまる。

 

特区って意外と少ないんですね・・・。

簡易宿所は規制緩和

届け出が必要な簡易宿所については、宿泊者が10人未満だと、フロントは不要になるなど
規制が緩和されるとのこと。

 

小規模ならフロント増築不要なのは、設備投資負担が少なくていいですね。

新法の方向性について(仮)

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既存の旅館業とは別の枠組みになる。

家主不在でも民泊が実施可能に。

営業日数は年間180日以内と制約あり。

※上記内容は法案成立までに変動の可能性あり

 

 

正直民泊に関する法律って、特区がどこかにあるらしいくらいしか認識がなかったのですが

ものすごいスピードで検討が進んでいるっぽいですね。
これに気づいている人たちはどれほどいるんだろうか?

世の中が気づき始めた時、ドバーっと一気に進みそうな気がします。

 

 

合法民泊のプラットフォームの必要性

お次は訪日外国人の最大勢力、中国人観光客に対する民泊サイトについて。

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発表者は (株)ゲンバカンリシステムズ 浜中孝喜 氏

 

彼もぼくの高校時代の友人だったりします。(同級生多っ!)
上の写真ではクールそうに見えますが、高校時代はけっこうはっちゃけてました笑。
ラッパー?

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(▲写真上部右がラッパー時代の浜中くん。写真掲載OK貰いました。)

体育祭仮装のために、佐川急便に制服を借りにいったが断られ
仕方なくDIYしたことは、いい思い出です。

 

中国人専用民泊サイト 宿日家(スーリージャー)

中国人観光客に特化した民泊サイトの名前は 宿日家

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読み方は、スーリージャア です。

 

中国人観光客のマーケットってもう成熟してしまっているのではと思っていたのですが

  • 海外旅行をする中国人が1.4億人/年
  • うち日本に来る中国人 500万人弱
  • 中間層の拡大余地 

 

 

と考えると、まだまだ増える余地はあるじゃないかなと。

 

ちなみに中国ではfacebookやtwitterはマイナーな存在。(facebookは利用禁止)
代わりに国産SNSが台頭しており独特の情報流通網ができているっぽい。

なので中国人観光客専用の民泊サイトというのも成り立つんじゃないかなと思いました。

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あと、面白いなと思ったのが宿泊先のショールーム化。

気兼ねなく使えることで、購買意欲を高められますよね。
非常に広がりがあると思います。

 

 

民泊の実態ー 実際どれだけの収益があるのか?ー

最後の発表者は 有限会社mode-Duo 社長 尾島康仁 氏

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民泊は実際どれほどの収益をあげるのか? リアルな話。

 

まず経営されているmode-Duoは、もともとITの会社なのですが、

この得意分野を活かして、部屋の管理代行業務すべてインターネットで完結できるサービスを提供しています。

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渋谷エリアの築20年以上、家賃6-8万円の物件を例に取ると
月20万円以上売上を上げているそうです。(1泊7-8,000円×30日稼働)

 

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こういったデータを2年間蓄積しているため、

現在は収益の目処が立つ物件パターンが分かるようになってきたとのこと。スゴイ! ズルい! (→ズルくはない笑)

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都市部では淘汰が進む

しかし競争が激化している 都市部では民泊物件が淘汰 されている。

これはこれから民泊が普及していく地方においてもおこりうる。

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だから今から地方で民泊に参入する人は、中長期的な視野で差別化できる物件を意識したほうがよい。

最終的には良き民泊が残る。

 

 

 

民泊は儲かるぜ!
と、短期収益目的で参入すると痛い目に合いそうですね。

 

地方物件・および周辺環境の持つ魅力をいかに引き出せるか、

運営者のポリシーや精神性が問われてくるんだろうなと思いました。

 

 

まとめ

民泊について、にわか知識しか持ち合わせていませんでしたが

今日1日でかなり深く網羅的に知ることができました。

 

これから民泊に参入を検討されている地方空き家物件のオーナーさんにとって

良識ある 全国民泊推進ネットワーク協議会 & おもてなしJAPAN

は心強い存在だなと思います。

 

そういえば親戚が江田島の大柿に空き家があるって言っとたなぁ・・・・

以上参加レポでした。

 

 

今日の一句

“1日で 民泊通を きどるワシ “

 

 

追記:2016/11/29に福岡で開催された第3回レポ

【民泊解禁】条例特区 福岡で行われた 第3回全国民泊推進ネットワーク協議会 は合法民泊のエッセンスが凝縮されていた。

2016年11月29日

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