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12/25クリスマスはクラウドワークス株主総会
年明けまで1週間となった12/25のクリスマス。
今日は有給をとってクラウドワークスの株主総会に行ってきました。
ぼくは株主総会に行くのが好きで、これまで20回位は行ってます。
TVやネットだけの情報ですとイマイチ実像として捉えにくいのですが
株主総会に行くと、経営者や役員に直接会える上に色々質問することによって
この会社に投資しているんだ!という実感を持てるからです。
クラウドワークスに投資した理由
2014年の9月、息子が産まれた時厳島神社で宮参りをしたのですが
記念写真を撮るとなると、写真館しか選択肢がなく、複数カット要求すると理不尽に高い!
参考:Yahoo知恵袋 写真館の料金ってこんなに高いものでしょうか?
ならば同行してもらい
厳島神社までの道中や境内での様子を撮ってもらったほうが
安く、かつ思い出に残る写真ができるんじゃないかと考え
ランサーズで出張カメラマンを探したところ・・・
このレベルの写真が200枚以上+動画付の
ものすごい高いクオリティのアルバムができたんですね。
あぁ、これは良いサービスだなと実感し
こういったクラウドサービスは必ず伸びると思ったわけです。
それに場所や会社に縛られずに働ける社会を
素直に応援したいってキモチもありました。
で、ランサーズは上場していないので
昨年上場した類似のクラウドサービスを提供する
クラウドワークス(3900)を、試し買いで100株買ってみたわけです。
で損益・株価はどうなのよ。
まぁ、ご覧のとおり大きな損失を出しています・・・。ううう・・・
まさかこんなに下がるとは(涙)
このクラウドワークスって会社は本当に保有し続ける必要があるのか??
それを自分の目で確かめたいという想いで株主総会に出席することにしたわけです。
場所は恵比寿ガーデンプレイス
いやーここに行くのは就活以来ですわ。
妻に代わって行った息子の保育園の送り迎えが
意外と手間取ってしまい、10:20に遅れて到着。
ちなみに駅間違えて、背に腹は変えられずタクシー使っちゃいました(涙)
あぁーモッタイネェ!
まぁなんというか
キラキラ女子が好きそうな場所ですね。
こういうところに来ると、正直ちょっと落ち着かないです。
出席者はオジサン多し!
写真は総会後の様子ですが
ざっと見たところ
参加人数:120名前後
年齢層:中高年のオジサンがやたら多い。若い人は少なめ
女性:10~15%
いやね、平日開催というのもあると思いますが
こんなに年齢層高めのオジサンが多いとは思いませんでした。
この人達は、事業内容理解しとるんかいな??
おそらく定年後の退職金を投じてらっしゃるのでしょう。
会場の本社会議室は人が一杯で
熱気ムンムン。暑苦しかったです。
株価はこの通り、上場以来右肩下がりですので
ほとんどの方が結構な損を抱えられているのでしょう。。。
ご愁傷さまです。(ぼくも ぐすん。)
到着時、既に質疑応答コーナーに。
25分遅れで会場に到着したのですが、既に株主からの質疑応答コーナーになっていました。
経験豊かなオジサンが多いためか、なかなか鋭い質問がある一方で
なにが言いたいのかヨーワカラン質問もありました(笑)
このコントラストを味わうのも株主総会の面白いところです。
いくつか気になったものをピックアップします。
Q:恵比寿というオフィスは、営業収益8億の会社からしてみては不相応ではないか?
A:成長・挑戦を加速させるために、前倒しで移転した。
(ここの賃料高そうだな・・・。現状営業収益8.1億に対して 営業費用が14.5億なので極力固定費は下げたほうが良いんじゃなかろうか)
Q:定款変更で、事業内容に金融業・広告業が追加されている。どんなことをやるのか?
A:金融業⇒フリーランスの方に、住宅ローンなど会社員に属していないと受けることが難しい金融サービスを提供できるようにしたい。
広告業⇒クラウドワークスのサイトを媒体と捉え、サービスを利用する個人向けに、広告を出す?(ちょっと詳細聞き取れず)
(住宅ローンなどのサービス提供は面白い。クラウドワークスでしかできない&社会性の高い事業だと思う。広告業がよーわからんけど)
Q:CF黒字化の見込は?
A: はっきりした見込みは分からないが、三菱UFJ銀行から成長性を評価してもらい、2億弱の融資を受けた。
(2億で足りるんやろか。やっぱ固定費下げたほうが良い気が・・・)
Q:もっと、中高年・シニアの人材を経営陣に取り入れて、安定性を高めてはどうか?
私自身、オファーを出したが、一連の対応を見ていると不安に思う。他ゴニョゴニョ長々と演説。
A:常勤監査役の向井は経験豊かで、多くの叱咤激励を日々受けている。
(質問した方はなんとかベンチャー株式会社と名乗られるオジイサンでしたが、自分を雇えというオファーだったのでしょうか?
話が長すぎて何が言いたかったのかよく分かりませんでした。。。経営側には入らないほうが良いかと・・・)
Q:赤字が大きいが、当社(クラウドワークス)と取引する大手企業にとっては信用不安とならないのか?当社の競争力は何か?
A:組織を育成する力が当社の競争力であると考える。副社長は新卒3年目である。
(副社長の成田さんは、学生時代から起業していたので特例なような気もするが・・・)
総会の決議議案は全て可決。
(1)定款の変更
(2)取締役7名の選任
(3)監査役1名選任
これら議案はすべて可決。
というか発行株の31.5%を吉田社長が保有しているので
よほどのことがなければ否決されることはないんですけどね。
まぁ要はシャンシャンだったということです。
総会自体は11:07頃に終了しました。
第2部 株主懇親会
株主総会の後は株主懇親会が用意されていました。
総会が予定より押したためか11:40よりスタート。60-70名の株主が参加しました。
・吉田 代表取締役社長 挨拶
・成田 取締役副社長 「総契約額100億円に向けて」
・オフィスツアー
・昼食懇親会
といった段取りです。
①吉田浩一郎 代表取締役社長 挨拶
会社事業に対する想いを語られました。
父親は神戸製鋼を新卒から定年まで勤め上げた。
家・車をそろえて生活を整えたことが、父のアイデンティティだった。
21世紀になり、大企業・正社員というフォーマットが変わりつつある。
家族のもとで働く。自分の得意なこと・好きなことを仕事にできる時代。
今回で2回目の創業となるが、
第1創業時は収入やステータスを追い求め、人が離れていき失敗した。
なにもかも失った時に、かつての取引先から届いたお歳暮が心に染みて嬉しかった。
今度はそんな人を嬉しくさせる仕事がしたい。
いやー大企業で社畜となりつつある自分にとっては大きく響く話でした。
しかしステータス・見栄を求めて失敗したにもかかわらず
身の丈を超える恵比寿にオフィスを移転したことが、ちょっと引っかかりました。
②成田(玉谷)修造 取締役副社長 「総契約額100億円に向けて」
総契約額100億円ということですが、H27年度の今年は28億円でした。
ここからクラウドワークスに手数料が入り、8億円の営業収入(売上)が立っています。
総契約額と売上を混同しないように注意したほうがいいですね。
で、今後の計画としては、総契約額を
H27年度 28億円(実績)
H28年度 40億円
H29年度 100億円
に伸ばしていくとのこと。H28年の40億円はかなり堅い数字だそうです。
けれどもH29年度 100億円ってかなりチャレンジングな数字じゃないかと・・・
それに対して打つ施策は大きく分けて2つあると理解しました。
A:市場・裾野の拡大
(引用元:事業構想大学院)
今までのユーザー:ネットリテラシーの高いイノベーター層
↓
今後のユーザー:ネットに慣れていない一般層
にターゲットを広げていくこと。
そのために、今以上に使い勝手を向上していきます。
具体的には
【クラウドワーカー側】
スキルアップの機会を提供
【クライアント側】
大口クライアントの外注業務を分解し、各クラウドワーカーに分解
工程の品質・進捗管理
などです。
ただ仲立ちのプラットホームを作り込むだけでなく
能動的にクライアント側に入り込んでいき、仕事の管理をする。
そのためにディレクター人材を常駐させているそうです。
うーむ、これはなかなか施策として新鮮で面白いなと思いました。
B:人材の採用
社員を150名体制に。
具体的には新卒を34名採用し、30名のマネジメント人材を採用することで
1対1 で人材育成できる体制を構築。
新卒学生は既にインターンとして受け入れており、
当社の業務を理解しているので即戦力化しやすい。
また、中竹さんというスポーツマネジメント人材を社外取締役に迎えています。
中竹竜二氏を社外取締役候補者とした理由は、フォロワーシップの第一人者として、当社のマネジメント体制強化を推進するためであります。
(出典:第4期定時株主総会ご通知)
新卒を戦力化するために、マネジメント人材も手厚くするとは・・・
人材育成への本気度を感じるわけですが、
それにしても社員数100名前後の企業が新卒34名採用って
かなりリスキーなカケに思えて仕方がありません。
(出典:H27年通期有価証券報告書 P59)
というのもH27年度の人件費は3.6億円。
従業員数は昨年の 24名⇒98名 に大幅増員しているため
人件費が膨らみまくってるんですよね。
現状売上が8.1億の企業に対して人件費3.6億ってかなり大きな負担ですし
150名体制にするということは単純に考えて人件費は1.5倍の5.4億に増大。
もし、新卒育成に失敗したら、
売上も拡大せず人件費負担だけが増大する事態になりかねません。
インターンはあくまでもインターン。責任を持って働くのとは訳が違います。
クラウドワークスの未来はこの新卒社員の働きに託されているといっても過言ではないでしょう。
③オフィスツアー
実はこれが一番気になってました。実際働いている人たちの様子って隠し切れない部分がありますからね。
オフィスは4Fと6Fに分かれています。
4Fはサービス・カスタマーサポート的な部署。
ここで面白いなーと思ったのは、クラウドワークスサービスのWEB上の画面遷移図が
オフィスの外周にグルっと貼られていたことです。
(出典:thinkit IT)
上記よりも大きなWEB画面のスクリーンショットがドバババッと壁に貼られていて
何か問い合わせがあった時でもすぐに状況が確認できるようになっていたのです。
PC上にある電子マニュアルって開いて探す作業がちょっと手間ですからね。
6Fは営業部隊やディレクター・管理部門
6Fに戻ります。
(出典:しろくまnet ※上記写真は移転前の旧神南オフィス時代のものですが雰囲気は似てます。)
各会議室名には、幸福度が高い国の
”ありがとう”
という意味の言葉 がついているのですが
ちょっとぼくには読めません・・・。kiitos?キットス??
「今日の打ち合わせはキットスでお願いします」 的な?
シンプルに第1、第2会議室でいいんじゃないかなと思ってしまったぼくは
もうオジサンなのかも・・・。
あとバーっとオフィスを見渡した感じでは、スゴイキレイ。
オバチャン株主集団の目がキラキラしてました。
「まぁ~キレイな場所だわねー」と。
彼女たちもキラキラ女子にカテゴライズされるのか・・・?
ただ、社員がとても多く、狭そうでちょっとした圧迫感を覚えました。
人が急激に増えすぎて、オフィスの広さが追いついていないのか?
ぼくの個人的感覚ですが
のびのび働くというよりかは、緊張感を感じることのほうが多そうです。
余談ですが、PCはVAIO Pro 13 を使われている方が多くて
好感が持てました。ぼくも使ってるので(笑)
軽くて早くてカッコイイ優秀なマシンです。
④昼食懇親会
オフィスツアー後は各テーブル6名ずつに分かれて昼食が配布されました。
あらまぁクリスマス仕様。
中は美味しそうなサンドウィッチとケーキが。いやぁフツーに美味しかったです。
各テーブルには役員や部長クラスの人たちが10分ごとにインターバルでまわり
株主からの質問に答える形式。なかなか無い機会なので色々な質問がでました。
Q:恵比寿という立地で有利なポイントはあるのか?
A: ネット関連企業が多く、商談のアクセスが非常によい。同じビルにも取引先が何社も入っている。
対外的にも信用される。働く身としては緊張感がある。
Q:リクルート出身者が多いようですが何人くらい?
A: 10名位いる。同僚と足並みを揃えて入社した。給料は下がったが、会社の志に惹かれた。
Q:当社のやっていることがいまいちよく理解できない。
A: 理解できるよう努めます。
(理解できないのに投資しちゃダメでしょオジサン・・・)
Q:地方の製造業は狙い目では?しょぼいチラシやHPなどに高額な費用を出しているケースがある。
A: 詳細はまだお知らせできないが、実はそういったことも検討している。
(総会終了後、大阪営業所の開設がプレスリリースされました。)
Q:ランサーズをどのように見ているか?差別化点は何か?
A: 当社は法人営業力を注力しており、取引先に大口クライアントが揃っていることが強み。
個人的に気になった点
わりと細かい点もありますが、一事は万事ということでいくつか気になったことを。
①総会終わりの挨拶の礼が揃っていなかった。
(出典:おーやんのワクワクニュース!!)
今まで参加していた総会って終わりの経営陣の礼のタイミングが
キレイに揃っていたのですが、クラウドワークスではバラバラでした。
”社員全員一体感を持って働く”
と掲げているだけに、ちょっとこのバラつきは気になりました。
まだ若い会社だからそういうもんなのかな?
②4Fの観葉植物の葉の一部が枯れていた
社内は多くの観葉植物があり彩りを豊かにしていたのですが、
4Fにある観葉植物は葉の一部が枯れていました。
(写真はイメージです。オフィスの直接撮影はさすがに遠慮しました。引用元:Kayocchiのブログ)
植物の手入れは、他者への気配り・余裕がないとできません。
ぼくの経験則ですが、
危ない会社・ヤバイ会社って植物が完全に枯れたまま放置されている
ということが多いんですよね。
6Fは普段多くの人が出入りするので、しっかり手入れされていましたが
それだけに、4Fの植物の葉の枯れが気になりました。
ぼくが気にし過ぎなのかもしれないのですケド。
実際の従業員の方のワークライフバランスはどうなんでしょうかね?
気になったので転職会議でしらべてみると・・・
ちょっとその片鱗を感じる投稿が・・・。
一方で高い評価をしている方もおり、人により温度差があるようです。
③でもやっぱ恵比寿オフィスは不相応だと思う。
まぁ色々説明は聞いたんですけど、この恵比寿オフィスがどうも腑に落ちないんですよね。
一体家賃いくらなのかと質問している他の株主の方もいらっしゃいましたが、
うまくかわされていました。
そこで有価証券書をつぶさにみていくと・・・
(出典:H27年有価証券報告書 P75)
YGPリアルエステート(恵比寿ガーデンプレイスの賃貸管理会社)に敷金1.2億円!
法人テナントの敷金相場は、家賃の6ヶ月~12ヶ月分ですので
逆算すると
1,000~2,000万円!/月
1.2億~2.4億/年
の範囲と推定されます。やっぱ高くねぇか??
しかもクラウドワークスという会社、これまで引っ越しの頻度がやたら多い。
H23年 11月 新宿区に会社設立
H24年 2月 港区赤坂に移転
H25年 2月 渋谷区道玄坂に移転
H26年 10月 渋谷区神南に移転
H27年 11月 恵比寿ガーデンプレイスに移転
1年に1回は引っ越してる。
急成長中で人が増えていることを考えれば仕方ないのかもしれませんが
移転の度に無駄な引越し費用 ・ 敷金の消化 ・ オペレーションの停止が発生するわけですから
もうすこし先を見越して計画的にできなかったのでしょうか。
また、オフィスツアーでみた様子では、現在の社員数でやや窮屈な印象。
これに新卒含めた50名前後の社員が入ることを考えると、さらに手狭になることは必須。
どうするんだろ・・・。
(出典:スペースマーケット)
個人的にはもうちょっと安くて広々とした場所に構えた方が
精神衛生的にも、会社経営的にもいい。新しいアイディアも生まれやすいでしょう。
場所に制約されずに自分らしい働き方ができる社会を目指しているなら
クラウドワークス自身が恵比寿にこだわらなくてもいいと思うんですけどね。
④お金の使い方にメリハリを感じられない。
③に関連することでもあるのですが、対外的によく見せる分野に、ムダ金を使ってしまっている気がするんですよね。
例えば、親睦会の昼食も、もっと簡素でも良いと思うんです。
赤字企業なのに、なんかこんな豪華なランチボックス頂いちゃって戸惑っちゃいましたよ。
(まぁモッタイナイので完食しちゃいましたケド 汗)
できるだけ外部流出は抑えて、本業で必要な分野に投資を続けていくことが重要と思うのですが
こう考えるのは製造業的発想で、IT分野は違うんかなぁ・・・。
まとめ:今後の投資判断
長々と書いてしまいましたが、今後のクラウドワークスの投資判断はしばらく様子見。
これから新卒も入り一段と固定費も増えてきて、
損益分岐点が上昇、黒字化のハードルが高くなるため
株価も厳しいかな・・・。
正直損切りしたい気持ちもありますが
社会性の高い事業なので、もうお布施ということで。。。
ちなみに株主総会当日の株価は上場来安値を更新。なんちゅうタイミング。ネタかよ・・・
で総会後に出たIRがこちら。
イヤイヤ、総会終った後に既存株主に不利になる発表しちゃいかんでしょ。
志を持って入社した人が多い中で、目の前にニンジンぶら下げるアプローチが有効なのかも疑問。
ちゅううわけで、色々心配になってしまった株主総会でした。。。
※本記事の内容はあくまでぼくの個人的な見解ですので、投資判断は各自自己責任でお願いします
今日の一句
”固定費が 高くて心配 クラウドワークス”
⇒クラウドワークスの株主総会に行ってきました
残念ながら損切りしました。
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