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英語によるIT系ライトニングトーク大会
Tokyo Startup Pitch Nightというイベントをご存知でしょうか?
ざっくり言うと、IT系スタートアップによる英語のライトニングトーク(5分前後でプレゼンすること。略称LT)大会。そしてオーディエンスはほぼ外国人という、日々慎ましやかに暮らす日本人にとっては超尻込みしてしまうイベントです(笑)
ぼくがこのイベントを知ったのはYahooのエンジニア、中島さんに紹介されたのがきっかけ。2月に開催されたとき、聴衆として聴いていたのですが、普段ほとんど接することがない外国人の反応が見れる面白い機会だなーっと思いました。
↓その時のレポ
空き家問題は外国人にどう映るのか?
で、その時ふとしたアイディアが降りてきたんです。日本の空き家問題って、外国人から見るとどのように見えるんだろうって。
日本人とは違うバックグランドを持つ彼らの反応をちょっと見てみたいなぁという気持ちがずんずんと大きくなっていきました。
だがしかし、TOEIC400点台!
だがしかし困ったことに、わたくしの英語力はTOEIC400点台!高校時代に英検準2級を取ったときがおそらく自分の英語力のマックス(笑)
英語でのプレゼンがマストのTokyo Startup Pitch Nightでうまくやってけるのか??
という超絶大な不安があったのですが
- 外国人を前にライトニングトーク(LT)してみてぇという好奇心
- 最近あまり大きな変化がない自分に喝を入れたい
という気持ちが勝ってしまい、勢いで申し込んでみることにしました。
空き家システムのことを無謀にも英語でプレゼンしてみようかなと思い、申込んだのですが、所属を英語で書く必要に迫られ、やむなく「Veranda Goya
Laboratory」と記入して送信した・・・。ややこしいなこの屋号。— ミンチ研究員 byベランダゴーヤ研究所 (@peterminced) 2017年5月9日
日本の空き家問題と外国人。異質な者同士を組み合わせたとき何か新しい価値が生まれる。直感がそう言ってます。
— ミンチ研究員 byベランダゴーヤ研究所 (@peterminced) 2017年5月9日
英語プレゼン資料はこう作った
TOEIC400点台のわたくしが独力でプレゼン資料をつくることは不可能。しかし現代には超便利なテクノロジーがあるんだぜ!
①Google翻訳を使いまくる
プレゼン資料は、DIVEINTOCODEのデモデイで作成したものをベースにGoogle翻訳をメインに翻訳。いやーインターネットって便利ですね。
ちなみに、空き家は英語で 「Vacaunt house」 と言うそうです。
へー。プレゼン資料作りながら英単語勉強してるわし。
②自己紹介ページをつくる
前回ピッチを聴講したとき、発表者はほとんど自己紹介ページを入れていたのでざっくり作ってみることに。
困ったのが自分の肩書。まぁ適当にそれっぽく仕上げときました。雰囲気大事っす。
空き家なのになぜゴーヤ??という混乱を引き起こさせないために、ゴーヤに関する情報は極力排除したつもりです(笑)
③しゃべる台本をつくる!
すべてアドリブで流暢に話すことってぼくの場合ほぼ不可能!ましてや英語なんて・・・・っ
なので発表時に話すことは可能な限り文字に落とし込みました。こうやって紙に落とし込んでおくと落ち着きます。やはりぼくは昭和型人間のようです。
④Google翻訳を使いまくる(音声)
台本は出来たはいいけど、問題は発音でした・・・。
今日の英語プレゼン資料、グーグル翻訳駆使してなんとかつくったけど、問題はコレを喋れるかどうか。ことごとく詰まってる、、、 pic.twitter.com/UKQ7qgnV7J
— ミンチ研究員 byベランダゴーヤ研究所 (@peterminced) 2017年5月11日
しかしgoogle翻訳は気が利いていて、発音ボタンまで実装されてました。怪しい単語はこのボタンを押しまくって確認してました。
▲ヴェイシャント ではなく ヴェイカント
⑤ボイスレコーダーで時間を測る
持ち時間は5分。英語でもたつくと時間はあっという間に過ぎてしまうおそれがあるため、ボイスレコーダーで録音しながら何度も内容と時間を確認しました。
当日の雰囲気とプレゼン資料
英語版発表資料
こちらが完成した英語版資料。
当日会場の様子
赤坂見附のYAHOOコワーキングスペースにてなんと112名もの観覧者が集結。なかなかインターナショナルです。ちなみに周りの方が英語で何か話されてましたが、「メキシコ」しか聞き取れませんでした笑。
空き家クエストの反応
会場での質疑応答や事後の懇親会での反応は以下のとおり。ちゃんと答えている体になってますが、実際はボロカスな回答でした(涙)あと、ゴーヤ関連のもいくつか笑。やっぱ気になるんですねそこ。
Q1:家主の情報はどのように開拓していくのか??(日本人)
A:高校時代の友人が市役所の地域おこし協力隊なので、協力しながら進めていく。個人情報なので一気に情報が集まることは難しいが、泥臭く開拓し、実績が作ることが出来れば、横からの紹介も増え、積み上がっていくと考えています。
Q2:空き家の家主は自分たちの家をどのようにしたいのか?(欧米人)
A:保全したい気持ちが強い。家は人が住まなくなると、湿気などにより急速に傷んでいきます。ほったらかしにしていても家が痛み、固定資産税がかかるだけなので、信頼できる人に住んでもらうのが一番と考えてます。
Q3:江田島市では現在年何件の空き家の売買が成約しているのか?(欧米人)
A:毎年10件弱です。
Q:その数を増やせたらビジネス的にもとてもクールだね。
A:ただ、空き家の資産価値はめちゃくちゃ安いので、仲介手数料とは異なったモデルを作る必要があります。
Q3:他の地域・自治体に展開はしないのか?(日本人)
A:まずは1つの地域でモデルを確立することが重要であると考えてます。空き家問題は人と人との信頼関係なくしては解消できない問題であり、一気に全国規模にはスケールしないと思うからです。
明確に確立することができればモデルやノウハウを全国展開できると思います。
Q4:なぜVeranda Goya Laboratory ?(欧米人)
A:私は100個以上のゴーヤを狭いベランダで育てることができるからです笑。
Q5:私もゴーヤ大好きです(フィリピン人)
A:たしかフィリピンでは葉っぱも食べられるんですよね(←Yes)
Q6:マネタイズはどのように考えているんですか?(インド人)
A:2パターンあるかなと考えてます。1つは自治体にシステムを納入するやりかた。
もう1つは、家主さんに月額会費を支払ってもらう方法。空き家の定期的な換気など実際のフォローもセットにすれば、後者でも行ける気がしています。
▲ヒアリングが壊滅的なので、筆談で必死に説明
所感
空き家そのものというよりかは、ビジネスモデルやマーケットに対して興味を持つ人が多かったなという印象でした。もうちょっと日本家屋的な空き家の写真や話をしたほうが良かったかしら・・・。
あと、英語力がもっとあれば深い議論ができたなぁ・・・
他の方の発表
自分の発表準備で手一杯&乏しい英語力のため内容薄いですが、他の方の発表もご紹介。
外出先の作業スペース情報を集約する。
フリーランスをはじめとして、出先での作業スペース確保に悩む方たち向けのサービス。「スペースハッカー」
代表の山田俊輔さんはRailsを2週間集中的に学習してサービスつくっちゃった変な人です笑。
開発メンバーは下記3名。
って全員同一人物(笑)イメージ違いすぎでしょ!
5年間使える格安スマホ&専用OSを作る
アメグミの常磐瑛祐さんは、親の所得・教育環境でIT機器習熟度格差が生まれる新興国の状況を解決するべく、5年間使える格安スマホをつくるとのこと。
具体的には、ハードウェア構成を極力シンプルにし、負担となるOSアップデートを極力なくすことで5年間持つように設計するとのこと。
ぼくも2年前まで頑なにガラケーユーザーだったのですが、あれ、シンプルなだけにかなり耐久力ありますからね。スマホで実現しようとするコンセプトが非常に面白い発表でした。
ちなみにOSも自前で作ろうとしているそうです。すごっ。
他の方のプレゼンで面白かったのが5年間持つ格安スマホをつくること。OSを自作するらしい。すげーなオイ。
— ミンチ研究員 byベランダゴーヤ研究所 (@peterminced) 2017年5月11日
現在エンジニア募集中。ストック・オプションも付与されるそうですよ。
アナログな中古車流通をインターネットでより効率的に
CarPriceを運営する林耕平さん。
従来の中古車流通は、各地域のオークション拠点で顔なじみの中古車業者が入札するというクーローズなものでした。
これをインターネットを活用し、全国の中古車販売店が入札できるプラットフォームを構築することによって、車の所有者は買取価格が20-30%UP!
ちなみに事業としてすでに軌道にのっており、スタッフも現在30名以上だそうです。
あとで林さんとお話する機会があったのですが、
- 旧態の仕組みを壊して新しいものを作るのが面白い
- 社長業が忙しく最近コードを書けないのが辛い
- サービスをスケールさせるためには1人では無理
と話されていたのが印象に残ってます。このままフリーランスで続けるのか、それとも・・・・。
外国人の日本住環境を整備する
「Tokyo Hearth」を運営する紀野知成さんは、世界の旅行市場と比較して、欧米人の日本訪問率が著しく低いことに着目。その要因は日本で住環境を確保する難しさではないかと考えています。
不動産屋に行って、内覧して、値切り交渉して、契約書にサインして・・・。日本人でもちょっとややこしい不動産の敷居は、外国人にとって更に高いに違いありません。
外国人が日本での住環境を確保しやすくするプラットフォーム 「Live in Tokyo」を準備中とのこと。
というか発表内容が
- 完璧なマーケテイングデータ
- 完璧な英語
すぎておったまびっくり。これが英語プレゼンのお手本なのかーとのけぞりましたよ。
ぼく自身もインバウンドマーケティング関連の仕事をしているのですが、日本は他地域と比較して欧米人が少ないという事実は初めて知り、とても勉強になりました。
船井総研のコンサルタントが手がける寄付プラットフォーム
船井総研のコンサルタント、フカノ ヒデ(すんません、漢字表記が確認できず・・・)さんは日本ではまだ未成熟な寄付に関するプラットフォームを構築したいとのこと。
寄付を求めている団体・寄付をしたい人は多いけれど、それを上手くマッチングプラットフォームがない。
また寄付した結果どのようになったのか進捗を確認できることもできない。
これらを整備することによって、589の孤児院/4.6万人の子どもたちを助けたいとのことでした。
たしかに寄付に関するプラットフォームってふるさと納税の除いたら、思い浮かばない。各NPOや団体がそれぞれのHPで募集しているようなかんじです。
また寄付をしたはいいものの、そのお金がどのように使われたのかも結構ブラックボックスな気がしていて、面白い視点だなと思いました。
あt,急遽ぼくのPCトラブルで順番変わって頂きありがとうございました!
まとめ
最近停滞気味の自分に「喝」を入れるために、ちょっと背伸びして出場してみたTokyo Startup Pitch Night 。英語の質疑応答はボロボロでしたが、外国人の反応を知ることが出来て面白かったです。
プレゼン内容は既に事業体としてスタートしているものから、プロトタイプ・ジャストアイデアベースまで様々でしたが、出場条件に縛られずに参加できるのがこのイベントの魅力だと思います。バリエーションがあって聴く側としても楽しめます。そしてぼくのつたない英語力でも寛容に迎えてくれた「Tokyo Startup Pitch Night 」のスタッフにはあらためてお礼申し上げます。
日本人以外の方の反応を見てみたい&ちょっと非日常を感じて見たい方にとっては登壇チャレンジする価値のあるイベント。
えっ英語力ないって!?大丈夫、TOEIC400点台のぼくでもなんとかなっちゃいましたから笑
今日の一句
”勢いで なんとかなるのが LTよ”
2月時のレポはこちら
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