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実は私シャープの株主です
実はわたくし、シャープ製品が好きで、気がついたら照明器具・冷蔵庫・掃除機・スマホはシャープ製でございます。
ユニークで良い製品を作るシャープも、業績不振と鴻海(ホンハイ)買収によるイメージ悪化で株価はどんどん下落。
(出典:日経新聞HP株価情報)
買収決定当時、マスコミ各社は、
- 日本の老舗家電メーカーが台湾の軍門に下った
- 鴻海(ホンハイ)はシャープから技術を吸い取った後解体する
など、かなりネガティブな報道をしていたのですが
- 2012年に子会社化した堺ディスプレイプロダクトを黒字化した手腕
- シャープ製品自体は非常に良い
- マスコミの報道は足並みが一緒で偏っていると思った
ことから再建のポテンシャルを感じ、7月初頭に株をちょこちょこと買ってました。
世間から見放されてるけどなにか光るものを感じちゃう株が好きなんですよねー。
雑貨屋ブルドッグは光らなかったけど・・・
いつまでたっても出資金が振り込まれない!
しかし4月にシャープへの出資が決まって以降、いっこうに合意した3,888億円が振り込まれない!
2012年の時みたいにやっぱ出資やめたーみたいな事にならないだろうか?高まる不安。そしてどんどん下がる株価!
(出典:日経新聞HP株価情報)
およそ4ヶ月経過しても全く音沙汰がない状況に、握力が強いぼくもさすがに業を煮やし、7月末に一度売却してしまいました。
8月中旬、突如振り込まれる!
しかし8月中旬、突如として鴻海(ホンハイ)より資金が振り込まれ、株価が一気に高騰。
あぁーっッツ!!!もう2週間ホールドしておけばぁぁぁぁ!!!!
(出典:日経新聞HP株価情報)
己の握力の弱さを嘆きました。ブルドッグのときは強かったんだけどなぁ・・・。
また懲りずに買う
が、まだまだ再建による株価伸長のポテンシャルがあると感じたぼくは、株価がおちついた11月、またシャープ株を購入。(懲りない)
幸い只今のシャープ株爆上げの恩恵を受けております。
鴻海(ホンハイ)・郭台銘について知らないことが多い
だけど、なんか引っかかるモノがあるんですよね。
- 鴻海(ホンハイ)は約束を守る企業なのか?
- シャープを一体これからどうするつもりなのか?
- 鴻海(ホンハイ)という企業の歴史と実態
- テリーゴウ(郭台銘)の生い立ち
あれだけマスコミに取り上げられていながら、体系的かつ正確な情報はほとんど知らない。
継続的な投資判断をするか否かは、上記情報を押さえておく必要があると感じました。
逆に把握しておけば、過去のパターンから今後どのようなことを仕掛けてくるか?予測することが出来るわけです。
鴻海・テリーゴウ(郭台銘)を研究する上で参考にしたのが数少ない書籍の中の1つ、「野心 郭台銘伝」
この本を選択した理由は、目次から
生い立ちから事業の沿革・最近のプライベート、さらにシャープ買収撃の裏側まで体系的に描かれていると判断したからです。
【目次】
第1章◆シャープ買収にこだわったホンハイの懐事情
第2章◆自殺者続出、フォックスコン工場の実態
第3章◆ホンハイは中国企業なのか
第4章◆郭台銘の原点、貧困の時代
第5章◆倒産寸前から急成長の謎
第6章◆巨大企業の「皇帝」の懊悩
第7章◆信仰への熱中、強烈な家族愛
第8章◆シャープへの求愛
そして期待通りの本でした。
詳細かつ体系的にまとめられたシャープ買収劇
私がこの本で特に参考になったのは、鴻海(ホンハイ)のシャープ買収劇に関する各種報道や記事を
- 日本側だけでなく台湾側からの視点
- 時系列
- 実際の事実確認
という観点で整理されている点です。
特に興味深かったのは
1,日本側だけでなく台湾側からの視点
日本国内ではシャープが鴻海(ホンハイ)に翻弄された論調ですが、
事実を事細かに整理するとシャープ側が鴻海(ホンハイ)にババを引かせようとしていたようにも解釈できる事案もあり
正直鴻海(ホンハイ)に同情してしまう部分もありました。
結果、台湾経済誌ではシャープのサラリーマン社長が狡猾な罠を次々に仕掛けてきたと報じているんですね。
どっちが善悪かというのは判断を下せませんが、鴻海(ホンハイ)が信用に足る企業かどうかを判断をするにあたって非常に役立つ情報でした。
国内ではほとんど報道されないプライベートな逸話
あと面白かったのは
- 30才のテリーゴウは単身松下電器に商談に飛び込みに行く。成立にならなかったが、その時松下社員から聞いた部品メーカーとの関係性の話が現在のホンハイモデルの礎になった。
- テリーゴウ自身は外省人であるが、妻や幹部は親日派の多い本省人
- 愛妻家。妻を亡くしたあとは迷走していた時期があった
といった1人の人間としてテリーゴウが描かれていたということ。ストイックだけどなかなか憎めないおっちゃんです。
本の著者はなんとわずか34歳
しかしものすごい緻密な取材と構成力。この著者はさぞベテランの方なのだろうと読了したあとに奥付をみたら、なんとわずか34歳。
著者について
安田峰俊 やすだ・みねとし
1982年滋賀県生まれ。ルポライター、多摩大学経営情報学部非常勤講師。
立命館大学文学部卒業後、広島大学大学院文学研究科修了。
在学中、中国広東省の深圳大学に交換留学。一般企業勤務を経た後、著述業に。
アジア、特に中華圏の社会・政治・文化事情について、雑誌記事や書籍の執筆を行っている。
著書に『和僑』『境界の民』(角川書店)など多数、編訳に『「暗黒・中国」からの脱出』(文春新書)がある。
わしとあんま歳変わんねーし!本書での一番の驚きは著者の年齢でした(笑)
まとめ:本著は優良なシャープ投資レポートである。
あまりにも面白くて、1日で一気読み。
ちなみにこの本の価格は1,600円。単行本としては普通の価格。
ですが現在のシャープ株(最低購入価格約25万円@12/9時点)の投資判断を助けるレポートとしてみると非常に内容が濃く、割安であると思います。
読んだあとにシャープ株を買うかどうかは人によって判断が分かれるかと思いますが、迷われている方には是非オススメしたい本です。Kindle版もあるのですぐ読めますぞ。
今日の一句
”本読んだ 私の判断 ストロングホールド”
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