【前編】 過疎地域の未来は学校長のマインド次第で大きく変わる。

リクルート次世代教育研究院主催の教育フォーラムに行ってきた。

昨日6/23 は19:00より東京駅近くの京橋で開催された

リクルート次世代教育研究院主催
「脱・教育環境格差。 “公営塾”と”地方高校”の取組み」

というフォーラムに参加してきました。

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このフォーラムに参加した動機は、

江田島市の地域おこし協力隊テーマのひとつ、大柿高校の魅力化 に興味があったからです。

 

ただぼくは教員免許こそ所持しているものの、大学卒業後はずっと 民間企業の会社員だったため、教育界のマクロ的な状況・課題が正直よくわかっていません。

そこで全体状況を把握しておいて損はないと思い、本フォーラムに参加した次第です。

 

盛りだくさんのプログラム

こちらが今回のフォーラムの式次第。

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登壇者は下記のとおり。

文部科学省初等中等教育局 参事官補佐 廣田貢
NPO法人キッズドア 理事長 渡辺由美子
広島県立大崎海星高等学校 校長 大林秀則
リクルート次世代教育研究研究院 院長 小宮山利恵子
㈱Prima Pinguino 代表取締役 藤岡慎二

 

官公庁・NPO・学校・民間企業 とうまくバラけています。

これは面白いディスカッションが聴けそう。

 

なぜリクルートが教育・貧困を扱うのか?

今回のフォーラムの主催者はリクルート。

リクルートといえば、求人広告・各種雑誌媒体を有すギラついた営業集団といったイメージなのですが

そのリクルートがなぜ教育を扱うのか?

 

それはスタディサプリというオンライン教育事業を近年スタートさせたことと関係があるようです。

なんかテレビCMで見たことあるかも・・・。

 

事業展開にあたり教育の世界を調べてみると

生活保護費以下の収入で暮らす子育て貧困世帯が20年で倍増しているとのこと。

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沖縄ひどいな・・・。3人に1人が貧困家庭じゃん・・・。

内訳をつぶさにみていくと

ひとり親・未婚の親家庭ほど貧困率が高いという結果に。

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彼らのほとんどが就業しているにも関わらずです。

 

 

そして高等教育の私費負担はOECD平均の2倍。

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公立高校の授業料が無償化されて、負担は少なくなったと思っていたのですが、他国と比べると高い水準。

加えて、入学時には教科書やら制服やらでまとまったお金が必要になります。

 

実はぼくの実家は、中学高校向けに指定カバンの企画製造販売をしているのですが、

原材料高騰による 値上げ交渉が非常にやりずらい という両親の話を思い出しました。

 

が、教育の負担感が高まっていることを鑑みると、値上げに反発する事情も分かる気がします。耳が痛いなぁ。

他国の制服・教科書・カバン事情ってどうなってるんでしょうね。

双方がハッピーになる道はないのか。

 

廃校が過疎を加速させる。

続いて藤岡さんのお話。

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現在全国に約3,700校 の高校がある。

しかし1年に60校が廃校になっている。

つまり10年間で6校に1校が統廃合するペース。特に過疎地で顕著。

 

マジか! 10年タームでみると結構なインパクトです。

 

そして学校がなくなると地域はどうなるのか?

そのインパクトを1枚で示したグラフがこちら。

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人口減と高齢化が加速しとるがな・・・悲しすぎるぜ。

 

そこで学校を再生させようとするのですが、そこには公立高校独特の制度面での難しさが。

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数年に一度、定期的な異動があるため、継続な改革が難しいのです。

 

また自治体の財政力も関係します。

こちらは島根県の隠岐島前高校と、東京都の離島の高校で教員数を比較した表。

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予算が潤沢に使える東京都の高校(大島・三宅)の方が 生徒1人あたりの教員数が充実してますね。

特に三宅高校は、島前高校生徒数の半分以下なのに、教員数が多いっていう逆転現象が。

 

結果、過疎地高校では教員1人あたりの負担が増加し、教科指導力が低下。生徒も減るという悪循環に。

もはや地方過疎地の高校はジリ貧の道を歩むしかないのか!?

 

 

文部科学省は何をやっているのか?

現在の国の施策について廣田氏からの説明。

 

教育の貧困格差について、文部科学省は

学校を貧困対策のプラットフォームとして機能させようとしているようです。

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学校を核とした地域活性化はよく耳にしますが、貧困対策の解決拠点とは、はじめて聴く概念でした。

で、上記構想の中で重要になってくるのが、学校と家庭のつなぎ役となるソーシャルワーカーの存在。

 

ソーシャルワーカーってぶっちゃげよくわからなかったんですが、調べたところ

別称:社会福祉士

生活不安を抱える人々と関係を構築し、解決のための援助を提供する専門職のことを指すんですね。

 

そういう方がいるということを今まで知らなかったのは、ぼくが比較的恵まれた人生を歩んできたからなのかもしれません。父上・母上 ありがとう。

 

このようにリソースの限られた過疎地の学校が単独で問題を抱え込むのではなく、

地域と相互補完できる体制をつくることが生き残りに必要なのですが

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この協働関係が上手く築けるかどうかを左右するのが校長のマインド。

 

ということで次はちょっと変わった校長先生のご紹介です。

 

広島県立大崎海星高校の場合

地域に対して一定の壁を作る校長先生が多い中、自ら積極的に地域と積極的に関わりに行ったのが

広島県立 大崎海星高校 の大林先生。

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舞台となる大崎上島町は、少子高齢化が急速に進んでいる課題先進地域。

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H17年までの減速スピードが半端ない!

 

そんななか大崎海星高校は町の支援を受けて、新たに木造校舎を新設します。

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生徒数が少なく、既存校舎が手に余っているなら、別に新設しなくても・・・と思ったのですが

 

この木造校舎をバックに映した学校案内パンフレットを見ると

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素直に いいなー! と思いました。あと生徒さん1人1人が楽しそう。

このようになにか他にない特色が打ち出せると魅力的に感じるんだなと思いました。

 

 

大崎海星高校は教職員の構成も特徴的です。

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教員11人のうち、4名が新規採用。ベテラン勢だけでなくフレッシュな力も積極的に取り込んでいます。

今までと違ったことをするにあたっては、変な固定観念がないほうがいいのかも。

 

 

大崎海星高校魅力化プロジェクトの柱

まずは公営塾

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月曜日~金曜日まで毎日実施。地域おこし協力隊が3名もいます。

また教材として 冒頭説明にあったオンライン学習システム、スタディサプリ を取り入れているのが面白いですね。

手がまわらないところはITの力を使って補う。地方教育では今後存在感が増していくことでしょう。

 

 

続いて地域学。

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潮目学 ・ 羅針盤学 ・ 航海学

といった聞いたこともない学問がラインナップされていますが、

ぼくは既存の学問を大崎上島の文脈 に落とし込んだものと解釈しました。
 

このように表現を言い換えると、地域にも伝わりやすいし、特徴的になるんですね。

既存領域 大崎上島の文脈置換
歴史学 潮目学
キャリア教育 羅針盤学
リーダーシップ教育 航海学

 

 

 

最後に宿舎。

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月3万円 で完全個室な上に食事付き。私立高校で高い学費を消耗するなら、こっちのほうが良さそうと思わせる価格設定。

 

大柿高校の独身寮は、1軒家 補助が入って月4万円だったかな・・・?

 

 

生徒数が回復に転じる

各種政策が功を奏して、減少傾向だった生徒数に歯止めがかかり、H28年度は増加に!

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廃校となる基準である 80人ライン回復 が見えてきました。すごい!

 

現地に赴任されて数年経った大林先生の所感は

  • 町の支援が大変手厚い。
  • 応援団が多すぎてベクトルが定まらないのが嬉しい悲鳴。

とのことでした。

 

 

大林先生はもともとオープンマインドだったんだろうか?

このように校長先生が積極的に地域と関わることで事態が好転していったわけですが、ふと質問が湧いたため、フォーラム終了後に聞いてみました。

 

Q1:大林先生は元々オープンな性格だったのですが?それとも何かきっかけとなることがあったのでしょうか?

A:前任の学校は都市部だったため今ほど地域に関わる必要度は高くなかった。しかし大崎上島に来て、これは独力ではできないと思い、町のパイプ役になる人を通して積極的に関わるようになりました。

Q2:校長先生は定期的な移動があり、人が変わると方針も一気に変わるケースを聞きました。継続的な取り組みをするにはどうすればよいと思いますか?

A:校長先生の考え方は人それぞれで致し方ない部分はありますが、制度や仕組みで連携の土壌をつくり、そうやすやすと変わることがない状況を作り出しておくことが大切だと思います。

 

 

環境変化が校長先生自身の考え方に影響を与えたというのが興味深いと思いました。

 

 

長くなったので、続きは後編で。

 

 【後編】 “都市の教育格差” と “地方の過疎化” は、過疎地高校の攻めの姿勢で解決する。

 

今日の一句

”校長が 変わると地域も 変わりだす”



 

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